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実際の虫歯治療について [御茶ノ水つばめ歯科・矯正歯科]

実際の虫歯治療について [御茶ノ水つばめ歯科・矯正歯科]

今回は御茶ノ水つばめ歯科・矯正歯科で行う虫歯治療のお話です。

歯科医院によって、または先生によって治療の行い方や流れについては異なる場合もありますので、あくまで治療を受ける上での参考にして頂ければ幸いです。

目次

マイクロスコープ虫歯治療(保険、自費診療)

虫歯の治療に関しては基本的な部分は医療の保険適応範囲となりますので、保険証をお持ち頂ければ大体どこの歯医者さんでも治療を受ける事が出来ます。


当院の場合はマイクロスコープが置いてありますので、基本的な虫歯治療を行う際は細かい部分まで拡大して確認をしながら治療を行っています。

保険治療、自費治療は特に区別なく予約時間の許す限り丁寧な治療を行えるように普段から意識をしていますが、マイクロスコープが一台しかない為、予約の取り方を工夫しながら治療を行っています。

虫歯が残っていないかを確認している写真
マイクロスコープにて虫歯の取り残しがないか、形は問題ないかを確認している写真


実はマイクロスコープは写真の撮影機としても優秀で、見ている画像をすぐに保存する事が出来ますので、虫歯の大きさの具合や、中の状況、詰めた後の写真、その後の症状の予想などをお伝えし患者さんと画像を共有をしながら治療も行えます。


実際の治療の画像が気になる方は仰って頂ければアプリ経由で共有出来る環境を作ってありますのでお伝え下さい。(あまり自分の虫歯の画像を欲しがる方が少ないのが残念ではありますが…)

これが不思議と、目でも見えているしマイクロスコープなしでも十分だろうと思っていたのですが…実際に使用してみてより細かく見えてしまうと、見える情報の量の違いにびっくりしてしまいます。今までいかに見えていなかったのかを実感するとともに、見えてしまった以上は綺麗に虫歯を取り除いてあげたい、より丁寧に治療をしたい!という気持ちが湧いてきます。マイクロスコープを導入したお陰で取り残しがないかをかなり意識するようになりました。

患者さんに画像をお見せしながら治療を行うというのは分かりやすい反面、適当な治療は当然行えなくなります。限られた時間の中でより良い治療を提供出来るようにという自分自身との戦い、歯科医師としてのプロ意識を問われる所です。

マイクロスコープを用いて虫歯がないかを確認している写真
一本一本の虫歯治療を丁寧に行うことで患者さんとの信頼関係を築いていきます。

歯は一度削ると元には戻りません。小さな虫歯治療でも小さく丁寧に詰め物を入れないと再度治療しなくてはならなくなる可能性も高くなるので、普段行う簡易的な治療をどれだけ丁寧に行われているかで歯の予後も変わってきます。

虫歯治療の詰め物の種類

コンポジットレジン

基本的には保険治療ではコンポジットレジンと呼ばれる樹脂にセラミック粒子を合わせたプラスチックの材料を使用します。最近の材料はどんどん良くなっており、多くの色の表現までは難しいですが、それでも十分自然に見えるような処置を行えます。基本的には単色で色が合いそうな材料を選んで充填します。

ダイレクトボンディング

より審美的に詰めたい場合はダイレクトボンディングと呼ばれるやり方で修復していきます。
こちらは保険適応外の材料となり、より細かな色の表現を行う事が出来ます。オペーク色、象牙質色、エナメル色、多少透明感のあるトランスルーセント色などの大枠の中でさらに細かに分かれていたりしますので、ご自身の歯の色に合わせて必要最小限の部分のみに材料で補う事が出来ます。
特に目立ちやすい前歯部や小臼歯部に対して、あまり歯を削らずに綺麗に見せたい場合が適応となります。

銀歯の中の虫歯治療(保険診療、自由診療)

銀歯は色が透過しませんので、上から見ても虫歯があるかが判断出来ない事も多いです。レントゲンの画像があれば歯との境目の具合で判断出来る場合もあるので、可能であれば虫歯の確認にはレントゲンの撮影をされた方が良いかと思います。


虫歯治療で使用される銀色の金属は主に2種類

①金銀パラジウム合金
②銀合金


細かな成分は金属の加工会社によって多少違いがあり、正確にはお伝えが難しいですが、 


①金銀パラジウム合金は金は20%以上、銀が40%以上、パラジウムが20%以上。その他銅、亜鉛、錫、インジウムなどが入っています。
②銀合金は銀が60%以上入っており、亜鉛や錫が入っているもの。

これらの金属はアレルギーの原因となる場合もあるので、注意が必要です。
心当たりがある方は大きい病院などでアレルギーのパッチ検査を受けられた方が良いかもしれません。もしくは歯科の場合であれば口の中の金属はなるべく減らしていったり、全て外して違う材料に変えるなどの処置が必要かもしれません。下記に分かりやすくまとまっていたので参考サイトを記載します。

金属アレルギー-疾患別メニュー-山梨大学医学部附属病院 アレルギーセンター金属アレルギーについて概要、症状、原因、対処法、治療法を説明します。yallergy.yamanashi.ac.jp

銀歯にしますか?自費のセラミックにしますか?

令和6年6月より、一部適応制限ありますが、保険の診療にてCADCAMインレーというものがデジタル印象にて作製出来るようになりました。

口腔内スキャナーが必要で、技工士さんがいるか、技工所との連携が取れていないと施設基準を満たせないので、作れる医院と作れない医院がありますので、問い合わせが必要かと思います。 (当院は届出済みです)


今までだと、銀歯にしますか?銀歯の色が気になるならセラミックはいかがですか?(自費診療)という患者さんからしたらいきなり高額な提案となってどういうこと?みたいな状況になっていましたが、これを歯科医師側も無理に提案する必要がなくなってきています。

これによりメタルフリーな治療を行いやすい環境となりました。ちなみに保険のCADCAM冠は規格が決まっており、フィラー含有量60%以上のコンポジットレジンで出来ていますので銀歯よりは柔らかいです。咬合が強すぎると割れる事もあり得ますので、まず適応かどうかの相談が必要です。


厳しそうな場合はより硬いジルコニア(自費診療)などの選択も必要となってきます。

保険治療で型取りがデジタル(口腔内スキャナー)で出来るのはまだインレー形態のみなので、今後の改訂が待たれますね。(2024年現在)

自費診療の型取りの場合は特に制限がないので、ほとんどの治療を口腔内スキャナーのデジタルでの型取りを行なっています。

保険のCAD CAMインレーの写真
保険治療で行えるCAD/CAMインレーの写真

神経の処置が必要な場合

虫歯が大きすぎると神経にまで到達し、突然の痛みによる抜髄が必要となったり、慢性的に神経が弱ってしまい失活し、神経を取る治療が必要となる場合がありますが、どの場合でもなるべく根の中は余計な感染が起こらないような配慮が必要です。

簡易的な防湿で足りるケースもありますが、可能であればラバーダム防湿を行い処置を行います。

また、虫歯が神経ギリギリの場合ではいきなり神経を取らずに保護剤を入れて神経症状が収まるか様子をみる場合もあります。この判断も難しいのですが、患者さんと相談をした上で、極力神経を残す方向で治療を進めていきたい所です。

表層の感染部のみを除去する断髄などの方法もあり、その歯の具合によって処置内容も変わります。

この辺りは医院によってやり方も流れも変わってくるので説明を受けられた方が良いでしょう。

抜髄について

全ての神経を取らなくてはいけないような状況になっている場合はかなり大きな虫歯が出来てしまい、強い痛みが出ている状況で仕方なく処置を行う。ようなケースが多いかと思います.

そもそも歯の急な痛みが出て、歯科医院にすぐに来院し、神経の処置をする。

これが出来ない場合が多いのではないかと思います。歯科医院は予約制の所がほとんどで、繁盛している医院ですと、予約表がパズルのようになっています。


Drに自由な時間がないくらいぎゅうぎゅうにアポイントが詰め込まれている事も多く、その中で急患にて来院された方の抜髄処置をしっかり行うのは厳しい事が考えられます。

ある程度ユニット台数が多く、アポイントに多少のゆとりがあれば対応可能だったり、ぎゅうぎゅうでも、患者さんの合間を見て処置を行なってくださる先生もいますから、まずは相談が必要ですが、抜髄の処置も丁寧に行うと麻酔をしてからの時間もある程度必要な治療内容ですので出来ればしっかりと予約の時間を長めに取り、丁寧に行いたいです。

そもそものアポイントを適切にバランス良く取れている医院であったり、複数の先生が常にいるような所であれば急な患者さんも診れる余力はあるでしょうが、患者さんが来すぎていると院内もピリピリして来ますから予定外の対応が難しくなってきます。その辺りは医院の経営の仕方でかなり変わってくる所です。

当院の場合でも、なるべく急な対応は出来るように予約は詰めすぎないように配慮をしています。

初回ではいきなり神経を取るのではなく、事前に相談があれば、次に痛みが出た場合は神経を取りましょう。などの提案が出来たり、治療をスムーズに行えるように前準備をすることもできますので、可能でしたら我慢出来ない程の痛みが出る前に、事前に相談出来ると良いと思います。

神経の形

歯の神経は前歯部、小臼歯部、大臼歯部によって形が違っており、ある程度の予想はつくのですが、歯の形や大きさも人それぞれ若干違いがあるように、歯の神経の太さや本数も若干の違いがあります。
歯の上側から神経部に穴を開けて神経を除去するのですが…そもそも細かい所を直接目で見る事が出来ません。
そうすると歯科医師の経験が重要になってくる処置となります。
歯の基本的な構造やよくある神経の形を記憶しておき、レントゲン画像を参考に予測を立てて神経の処置を行なっていきます。

前歯部の場合、神経の形が一本の場合が多く、ミラーで見れば確認しやすい所に神経の穴があるのでこちらとしても処置を行いやすいです。
小臼歯になると、1~2根くらいになるので、見やすいケースと、根が曲がっていて、神経部も曲がっていて難しいケースも入ってきます。
大臼歯部になると、3~4根くらいになる上、神経の分岐が増えて処置の難易度が格段に上がりますし、そもそも器具を届かせるのも大変な事が多いです。治療が難しくなる以上、治療をした後の経過であったり、再度根の治療を行う場合もより難易度が上がってくる為歯の寿命が短くなってしまうような場合が出てしまうのも仕方ありません。
なるべく見えるような処置にした方が歯科医師側も丁寧に治療が行える。という事です。

奥歯はより大切にする必要があります。

2回目の根管治療はさらに難しい

事前に他の医院にて根管治療を受けられていて、充填されている場合に、根先の先に病巣がある場合は、改めて根管治療を行わなければなりませんが、歯の状況によっては再治療がかなり困難な場合があります。

事前にレントゲンを撮影し、状況をお話ししてからの治療とはなりますが、根がどこか破折していたり、充填物が曲がって入っていたりする場合もありますので、数回に分けて丁寧に処置を行います。

再治療の場合は、事前の画像予測から、実際に治療の介入を行なった場合はどの程度の改善の見込みがあるのか、保存出来そうかどうか、逆に厳しい場合はどうなるのか。などをなるべく事前にお伝えするようにしています。

再治療を行い、改善する見込みが少ない場合には抜歯を行う必要がある場合もあり得ます。

ラバーダムについて

歯の神経を取るという治療を行う際はなるべく余計な感染源は避けたい所です。不潔になりやすい部分を事前に避けておいたり、根管の中に唾液や歯肉からのプラークや血液が入らないように処置を行わなければなりません。
その際にラバーダム防湿と言って、処置をする歯の周りに伸びるゴムのシートで覆うようにするとその歯の部分だけがゴムの上に見えるようになり処置に集中する事が出来るようになります。
ただ、ラバーダムをかけると、歯の周りに固定するための金具をつけなくてはならず、手技に技術が必要なのと、歯の歯肉の上の部分がある程度しっかりとしていないとつけられません。その場合は事前に壁を作る作業が必要です。また、患者さんが口を閉じられなくなリますので、長時間の治療となると患者さんの顎が痛くなったりする場合もあります。

というように欠点もあるわけですが、よりわかりやすい状況に持っていけるので、処置時間に余裕がある場合はなるべくラバーダム防湿を行えた方が良いでしょう。

マイクロスコープについて

こちらに関しては神経処置全ての工程を常にマイクロスコープを覗きながら行える先生はかなりの達人だと思っています。そもそも、根管の中に器具を入れようとすると見ている画像に手が入り込んでしまったり、今どの辺りに器具があるのかを正確に判断出来るようになるにはかなり技術が必要です。
私自身も要所要所で覗く、覗かないを使い分けているのが現状です。
基本は根管の中を直接マイクロスコープでは覗けないので、ミラーで反射させた部分を拡大してみていますから、処置の事だけを考えると、マイクロスコープでなくても拡大鏡でも十分に確認は出来ると思いますので必ず必要ではないと考えていますが、、マイクロスコープがあった方が歯科医師自身の見えている領域が広くなります。

マイクロスコープの便利な所

なんといってもユニットの側に固定して置いてある訳ですから使いたい時に気軽に出す事が出来ます。しかも患者さんの顔の上の位置に固定しておけるので、使えるスペースが広くなった感覚すらあります。

光も当てられるのでライトの代わりにも使用出来ますし、見ている画像が前のモニターに写っていますので、アシストについているスタッフも画像も見る事が出来るので情報の共有がしやすくなります。
これがかなり便利で、マイクロの画像が写っていないと、助手の方には先生が今何をしているのかがよくわかりません。どんな状況なのかが分かりにくいのでアシストの対応にも差が出てくると私は考えています。
ボタン一つで見ている画像の写真を撮影したり、動画を撮る事も可能です。
処置が終わった後ですぐにあの時のあれは〜と説明しても通じるってとても大切なんですよね。

アシストの方も人間ですからずっと立っているだけでは面白くありません。
やはり見ていて理解出来るようになると自然とモチベーションも上がって来やすいかなとも思います。

新札の1万円をマイクロスコープで確認している画像
実際のマイクロスコープの画像。低倍率

実際のマイクロスクープで覗いてみると、新札の10000円ではこんな感じに見えます。低倍率だと全体像が見えやすいので位置の把握をする時に便利。

新札の1万円をマイクロスコープで確認している画像
高倍率で見ると[NIPPONGINKO]との文字も見える。

同じ画角から高倍率に変えるとここまで拡大してみる事が出来ます。流石にここまで細かい部分は肉眼だけの処置では見れません。
よくよく見るとNIPPONGINKOとの文字も見えます。他にも隠された工夫がいくつかあるので探してみるのもなかなか面白いです。

虫歯の取り残しがないかを確認している様子
小さな銀歯を外した所。黒い部分にはまだ虫歯が一部残っている。」

実際の処置も細かく確認出来てしまうと、気になってしまいますよね。出来てない部分が見えてしまったら、丁寧にやりたくてなってしまう。
歯の治療って非常に細かいんです。

う蝕検知液を用いて、マイクロスコープで拡大して細かい部分に取り残しがないかを確認してから詰め物を充填していきます。

極力保険治療でも白い被せ物を

歯科医師の工夫次第で、保険治療にてなるべく白い被せ物で治療を行う事も可能です。
小さい虫歯⇨コンポジットレジンにて
中くらいの虫歯⇨コンポジットレジン、CADCAMインレーにて
大きい虫歯⇨CADCAMクラウンにて
ブリッジ⇨一部の歯の組み合わせのみ白いブリッジが保険適応。それ以外は金属色を使用せざるを得ないです。

このような治療の組み合わせで行えば保険治療でもおおよそ対応可能です。ただし、材料としては柔らかめなので、歯ぎしりが強い、すでに噛み合わせが擦れていて厚みが取れない、被せ物がすぐに外れたり欠けたりしやすい方に対しては全て柔らかい材料で行うのはトラブルの原因となりかねませんので、相談が必要となります。
その場合は保険適応外のジルコニアなどを提案する事もあります。

患者様のご希望に合わせて治療内容も調整いたしますのでご安心下さい。

まとめ

歯の治療を行うのは先生ですが、実際に相談に行くのは患者さんです。

相談に行く段階で、どういう状況なのか、どのような治療を受けられるか。で歯の予後は変わってしまう可能性があります。虫歯治療は早期に発見出来れば小さい治療で済む為、歯の負担も少なくなります。

ただ、小さい治療で済ませられるように歯科医師側の努力が必要な事も多いですから、説明を聞き治療内容をお任せ頂ける関係性が出来てから治療を行えるのが好ましいですね。

当院では治療箇所が多い場合や事前に治療の相談をしたい場合などには口腔内スキャナーで歯並び全体を撮影し、説明を行ってから実際の治療に入れるような配慮も行っております。

治療が苦手、最近歯科医院に行けていない方などは事前に教えて頂ければいきなりの治療も行いませんのでご安心ください。自費診療に関する無料相談も行っております。

参考になりましたら幸いです。

治療のご予約はこちらより24時間行えます。キャンセルもWeb予約より行えます。

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御茶ノ水つばめ歯科・矯正歯科
〒101-0052
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TEL:03-6281-7737
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Hasegawa
御茶ノ水つばめ歯科・矯正歯科 院長
御茶ノ水駅と神保町駅の間の場所で歯科医院を経営しています。歯の治療でお困りの方向けに情報を発信しておりますので、参考になれば幸いです。
実際の虫歯治療について [御茶ノ水つばめ歯科・矯正歯科]

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