「うずくような虫歯の痛み、どうにかしたい!」
夜中に突然襲ってくるズキズキとした痛みや、歯がしみる度に感じる不快感…。 一刻も早く痛みから解放されたい時、「冷やす」のは有効な手段の一つです。
しかし、冷やし方を間違えると、歯や歯茎を傷つけたり、痛みが増してしまう可能性も。
今回は、虫歯の痛みを効果的に和らげる冷やし方と、注意すべきポイントを詳しく解説していきます。 適切な方法で冷やし、つらい痛みを少しでも軽減しましょう。
ズキズキする虫歯の痛み…なぜ冷やすと和らぐの?そのメカニズム
冷やすのは虫歯の痛みを一時的に和らげる効果的な方法です。
でも、なぜ冷やすと痛みが和らぐのでしょうか?
そのメカニズムを、もう少し詳しく見ていきましょう。
1. 炎症を抑える効果
虫歯の痛みは、虫歯菌が歯の内部に侵入し、神経に炎症を起こすことで発生します。
炎症が起こると、
- 血管拡張: 患部周辺の血管が広がり、血液の流れが増加します。
- 発痛物質の放出: 炎症を起こした細胞から、ブラジキニンやプロスタグランジンなどの発痛物質が放出されます。
- 神経の刺激: これらの発痛物質が神経を刺激し、痛みを感じます。
- 腫れ: 血管から漏れ出した血液中の成分が組織に溜まり、腫れが生じます。
- 熱: 血流増加により、患部の温度が上がります。
冷やすことで、
- 血管収縮: 冷たい温度によって血管が収縮し、炎症部位への血液の流れが抑制されます。
- 発痛物質の抑制: 炎症反応が抑制されることで、発痛物質の放出も抑えられます。
- 神経の興奮を抑える: 冷たい刺激は、神経の伝達速度を遅くする効果があります。
これらの作用により、炎症が鎮まり、痛みが軽減されます。
2. 神経の興奮を抑える効果
神経は、電気信号によって情報を伝達しています。
冷たい刺激を受けると、神経の細胞膜のイオン透過性が変化し、電気信号の伝わり方が遅くなります。
その結果、痛みの信号が脳に伝わる速度が遅くなり、痛みを感じにくくなるのです。
3. 歯髄の圧力を下げる効果
歯の内部には「歯髄」と呼ばれる、神経や血管が集まった組織があります。
炎症が起こると、歯髄は腫れて圧力が高まり、周囲の組織を圧迫します。 これが、ズキズキとした痛みの原因となります。
冷やすことで、
- 血管収縮: 歯髄内の血管が収縮し、血流が減少します。
- 組織液の減少: 炎症によって増加した組織液が減少します。
これらの作用により、歯髄の腫れが抑えられ、圧力が下がることで痛みが和らぎます。
効果的な冷やす方法
歯の痛みは、我慢できないほど辛いものです。適切な冷やし方で痛みを和らげ、歯科医院での治療までの時間を少しでも快適に過ごしましょう。
冷やすことの目的
歯の痛みは、主に歯髄(歯の神経)の炎症によって引き起こされます。冷やすことで、
- 炎症を抑える
- 血管を収縮させ、腫れや痛みを軽減する
- 神経の興奮を抑え、痛みを麻痺させる
といった効果が期待できます。
効果的な冷やし方
1. 冷やす場所
- 痛む歯のある側の頬を冷やします。直接歯に冷やすと、刺激が強すぎて逆効果になる可能性があります。
- 顎の下や耳の下を冷やすのも効果的です。これらの部位には、歯の痛みと関連する神経や血管が通っています。
2. 冷やすもの
- 氷: 氷嚢やジップロックなどに氷を入れ、タオルで包んで使用します。
- 保冷剤: 市販の保冷剤も便利です。ただし、凍傷を防ぐため、必ずタオルなどで包んで使用してください。
- 冷却シート: 額や脇などに貼る冷却シートも、頬に貼ることで効果を発揮します。
- 冷水: 氷や保冷剤がない場合は、タオルを冷水で濡らして代用できます。
3. 冷やす時間
- 1回に10~15分程度を目安に冷やします。
- 痛みが強い場合は、数時間おきに繰り返してください。
- 冷やしすぎると血行が悪くなり、治りが遅くなる可能性があります。
4. その他
- 冷水でのうがいは避けましょう。冷たい水は歯の神経を刺激し、痛みを悪化させる可能性があります。ぬるま湯か常温の水でうがいをするようにしましょう。
- 塩水うがいも効果的です。水1カップに小さじ1/2程度の塩を溶かし、うがいをしましょう。塩には殺菌効果があり、炎症を抑える効果も期待できます。
- 市販の鎮痛剤も併用できます。ただし、用法・用量を守って使用してください。
注意点
- 冷やすのはあくまで一時的な対処法です。痛みが続く場合は、必ず歯科医院を受診しましょう。
- 特に、歯がズキズキと痛む、歯茎が腫れている、発熱がある、口が開けにくいなどの症状がある場合は、すぐに歯科医院を受診してください。
歯の痛みは、放置すると悪化することがあります。早めの対処と適切な治療が大切です。
冷やす以外の対処法
1. 口腔内を清潔に保つ
口の中の細菌は、歯の痛みを悪化させる原因となります。清潔に保つことで、炎症の進行を抑え、痛みを和らげることができます。
- 歯磨き:
- 痛む場所を優しく丁寧にブラッシングします。
- 歯と歯の間、歯と歯茎の境目は特に注意して磨きましょう。
- 歯ブラシの毛先が開いていないか、定期的に確認し、新しいものと交換しましょう。
- 電動歯ブラシは、手磨きよりも効率的に歯垢を除去できます。
- デンタルフロス・歯間ブラシ:
- 歯ブラシだけでは届かない歯間を清掃します。
- 歯茎を傷つけないように、優しく使用しましょう。
- うがい:
- ぬるま湯でこまめに行い、口の中を清潔に保ちます。
- 塩水うがいは、殺菌効果により炎症を抑える効果も期待できます。
- 水1カップに小さじ1/2程度の塩を溶かして使用します。
- 1日に数回行いましょう。
2. ツボ押し
東洋医学では、体の特定の部位(ツボ)を刺激することで、気の流れを整え、痛みを和らげるとされています。
- 合谷(ごうこく):
- 親指と人差し指の骨が交わるくぼみにあるツボです。
- 全身の痛みや炎症に効果があるとされ、「万能のツボ」とも呼ばれています。
- 親指で強く押す、または円を描くようにマッサージします。
- 歯痛点(しつうてん):
- 手のひら側、中指と薬指の付け根の間にあるツボです。
- その名の通り、歯の痛みに効果があるとされています。
- 親指で強く押す、または円を描くようにマッサージします。
3. 市販薬の利用
ドラッグストアなどで購入できる市販薬も、歯の痛みを和らげるのに役立ちます。
- 鎮痛剤:
- アセトアミノフェン(タイレノールなど)やイブプロフェン(イブなど)は、痛みや炎症を抑える効果があります。
- 必ず用法・用量を守って使用してください。
- 胃腸の弱い方は、アセトアミノフェンを選びましょう。
- アスピリンは、血液をサラサラにする作用があるため、抜歯後などは避けましょう。
- 歯痛用の塗り薬:
- 歯茎に直接塗るタイプの薬には、局所麻酔薬や消炎剤が含まれています。
- 痛みを感じている部分に、綿棒などで少量を塗布します。
- 使用方法や使用回数は、薬の説明書をよく読んでください。
4. その他
- 安静にする:
- ストレスや疲労は、痛みを悪化させる要因となります。
- 十分な睡眠をとり、体を休ませましょう。
- 食事に気を付ける:
- 硬いものや刺激の強いものは避け、消化の良いものを食べましょう。
- よく噛んで食べることで、唾液の分泌を促し、口の中を清潔に保つことができます。
- 温かいものは、痛みを悪化させる可能性があるので、避けましょう。
- 患部を温める:
- 冷やす方が効果的な場合が多いですが、温めることで血行が促進され、痛みが和らぐ場合もあります。
- ただし、腫れや炎症が強い場合は、温めるのは避けましょう。
- ホットタオルやカイロなどを、タオルで包んで患部に当てます。
- アロマテラピー:
- ラベンダーやペパーミントなどのアロマオイルは、リラックス効果や鎮痛効果があると言われています。
- アロマディフューザーを使用したり、アロマオイルを少量、ハンカチに垂らして香りを嗅ぐのも良いでしょう。
- 気を紛らわせる:
- 好きな音楽を聴いたり、読書をしたり、映画を観たりするなど、気を紛らわせることで、痛みを意識しないようにしましょう。
注意点
- これらの方法は、あくまでも一時的な対処法です。痛みが続く場合や、症状が悪化する場合は、必ず歯科医院を受診しましょう。
- 特に、歯がズキズキと痛む、歯茎が腫れている、発熱がある、口が開けにくい、顔や顎が腫れているなどの症状がある場合は、すぐに歯科医院を受診してください。
歯の痛みは、原因によって適切な対処法が異なります。自己判断で対処せず、歯科医師の診断を受けるようにしましょう。
最後に
虫歯の痛みは、本当につらいものです。
「冷やす」という方法を正しく理解し、上手に活用することで、痛みを軽減し、少しでも快適に過ごせるようにしましょう。
そして、必ず歯科医院を受診し、適切な治療を受けるようにしてください。
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