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【歯科医が解説】非抜歯矯正でゴリラ顔になるってホント? 抜歯の目的・非抜歯矯正の基準も紹介

【歯科医が解説】非抜歯矯正でゴリラ顔になるってホント? 抜歯の目的・非抜歯矯正の基準も紹介

「矯正治療を始めたいけど、歯を抜くのはちょっと…」そう思っている方はいませんか?

最近では、歯を抜かない「非抜歯矯正」を選ぶ方が増えています。しかし、インターネット上では「非抜歯矯正でゴリラ顔になる」という噂も…。

本当なのでしょうか?

この噂を耳にして、非抜歯矯正に不安を感じている方もいるかもしれません。そこで今回は、矯正歯科医の立場から、この噂の真偽を詳しく解説していきます。

抜歯矯正と非抜歯矯正の違い、それぞれのメリット・デメリット、そして患者さんにとって最適な治療法の選び方など、役立つ情報が満載です。

この記事を読めば、非抜歯矯正に対する疑問や不安が解消され、安心して治療に臨めるようになるでしょう。ぜひ最後までお読みください。

目次

第1章:ゴリラ顔になるってホント? 噂の真相に迫る

「非抜歯矯正でゴリラ顔になる」

矯正治療を検討している方なら、一度は耳にしたことがあるかもしれません。この言葉を聞いて、不安に思っている方もいるのではないでしょうか?

この章では、この噂の真相について、歯科医の視点から詳しく解説していきます。

「ゴリラ顔」ってどんな顔?

まず、「ゴリラ顔」と聞いて、具体的にどんな顔を思い浮かべるでしょうか?

一般的には、

  • 口元が前に出ている
  • 顎がしゃくれて見える
  • 唇が厚く、閉じにくい
  • Eライン(鼻先と顎の先を結んだライン)から唇が大きく出ている

といった特徴が挙げられます。

これらの特徴は、歯並びや顎の骨格、顔貌のバランスなどが複雑に絡み合って生じるものです。

なぜ「非抜歯矯正でゴリラ顔になる」と言われるのか?

では、なぜ「非抜歯矯正でゴリラ顔になる」と言われるようになったのでしょうか?

その背景には、以下のような要因が考えられます。

  1. 非抜歯矯正に対する誤解 従来の矯正治療では、歯並びを整えるためのスペースを作るために、抜歯するのが一般的でした。そのため、歯を抜かない非抜歯矯正では、歯が前に押し出されて口元が出てしまうという誤解が生じた可能性があります。
  2. 治療計画の不備 非抜歯矯正では、歯を並べるスペースを確保するために、顎を広げたり、歯を傾斜させたりするなどの工夫が必要です。しかし、治療計画が不十分な場合や、医師の技術不足により、歯が不自然な方向に動いてしまい、口元が出てしまうケースがあります。
  3. インターネット上の情報 インターネット上には、非抜歯矯正で失敗したという情報も散見されます。これらの情報の中には、信憑性の低いものや、個人の体験談に基づいたものも含まれており、非抜歯矯正に対する不安や誤解を助長している可能性があります。

非抜歯矯正でゴリラ顔になる可能性は?

結論から言うと、正しく行われた非抜歯矯正でゴリラ顔になる可能性は極めて低いと言えます。

矯正歯科医は、患者さんの歯並び、顎の骨格、顔貌などを総合的に診断し、精密な治療計画を立てます。そして、歯を動かす方向や力を慎重にコントロールすることで、自然で美しい口元を実現します。

近年では、デジタル技術の進歩により、治療前のシミュレーションや、3Dプリンターを用いた精密な矯正装置の作製が可能になっています。これらの技術を活用することで、より安全で確実な非抜歯矯正治療を提供することができます。

注意すべきケース

ただし、患者さん自身の骨格や歯並びの状態によっては、非抜歯矯正で治療を行うことが難しい場合もあります。

例えば、

  • 顎が小さく、歯を並べるスペースが極端に不足している場合
  • 歯が大きく前に傾斜している場合
  • 骨格的に顎が前に出ている場合

などは、非抜歯矯正では理想的な歯並びや口元を実現することが難しい可能性があります。

このような場合は、抜歯矯正を選択する方が、より良い結果を得られる可能性があります。

大切なのは、しっかりと事前相談を行う事

重要なのは、自己判断で非抜歯矯正を選ばないことです。

矯正治療を受ける際は、必ず歯科医師に相談し、自分の状態に合った治療法を選択しましょう。

信頼できる歯科医は、患者さんの希望を丁寧に聞き取り、メリットだけでなく、デメリットやリスクもしっかりと説明してくれます。そして、患者さんにとって最適な治療法を提案してくれるでしょう。

もし、非抜歯矯正でゴリラ顔になることを心配しているのであれば、その不安を率直に医師に伝えましょう。医師は、あなたの不安を解消し、安心して治療を受けられるよう、丁寧に説明してくれるはずです。

第2章:抜歯矯正と非抜歯矯正 それぞれのメリット・デメリット

矯正治療を始めるにあたって、多くの人が悩むのが「抜歯矯正」と「非抜歯矯正」のどちらを選択するかということです。

どちらも歯並びを美しく整えるための治療法ですが、それぞれに特徴があり、メリット・デメリットも異なります。

この章では、抜歯矯正と非抜歯矯正について、より詳細に解説し、それぞれのメリット・デメリットを比較することで、自分に合った治療法を見つけるためのヒントを提供します。

抜歯矯正

抜歯矯正とは、歯並びを整えるためのスペースを作るために、小臼歯(前から4番目 or 5番目の歯)などの健康な歯を抜歯してから矯正装置を装着する治療法です。

メリット

  • 歯を並べるスペースを十分に確保できる 歯を抜くことで、歯列に十分なスペースを作り出すことができます。そのため、重度の叢生(歯が重なり合っている状態)や、顎の大きさに比べて歯が大きい場合でも、歯並びを整えやすく、理想的な咬み合わせを実現しやすくなります。
  • 治療期間が比較的短い 歯を抜くことで歯の移動距離が短くなるため、叢生が強い場合は非抜歯矯正に比べて治療期間が短くなる傾向があります。一般的には、抜歯矯正の治療期間は1年半〜3年程度と言われています。
  • 重度の歯列不正にも対応できる 前述の通り、抜歯矯正は歯を並べるスペースを十分に確保できるため、重度の叢生や、上顎前突(出っ歯)、下顎前突(受け口)、開咬など、様々な歯列不正に対応することができます。
  • 口元を引っ込めることができる 抜歯によって歯列全体を後方へ移動させることができるため、口元を引っ込める効果が期待できます。出っ歯の改善や、Eラインを美しく整えたい方にとって有効な治療法です。

デメリット

  • 健康な歯を抜く必要がある 最大のデメリットは、健康な歯を抜かなければならないということです。そのため、歯を抜くことへの抵抗感が強い方にとっては、大きな精神的な負担となる可能性があります。
  • 抜歯に伴う痛みや腫れ 抜歯後には、痛みや腫れ、出血などの症状が現れることがあります。これらの症状は通常、数日〜1週間程度で治まりますが、体質によっては長引く場合もあります。
  • 費用が高くなる場合がある 抜歯矯正は、非抜歯矯正に比べて治療費が高くなる傾向があります。これは、抜歯にかかる費用や、治療期間が長くなることなどが要因として考えられます。
  • 治療後の後戻り 矯正治療後、歯は元の位置に戻ろうとする性質があります。これを「後戻り」と言います。抜歯矯正では、歯を大きく移動させるため、後戻りを防ぐために保定期間が長くなる場合があります。

非抜歯矯正

非抜歯矯正とは、歯を抜かずに、矯正装置や顎を広げる装置などを用いて歯並びを整える治療法です。

メリット

  • 健康な歯を抜く必要がない 非抜歯矯正の最大のメリットは、健康な歯を抜かずに治療できるということです。歯を抜くことへの抵抗感がある方や、できるだけ歯を残したいという方にとって、大きなメリットと言えるでしょう。
  • 歯を抜くことへの抵抗感が少ない 抜歯矯正と比べて、心理的な負担が少なく、治療に臨むことができます。
  • 自然な仕上がり 歯を抜かないため、歯列や顔貌のバランスを崩すことなく、自然な仕上がりになる場合が多いです。
  • 顎の成長を促進する効果 特に成長期の子供の場合、顎を広げる装置を使用することで、顎の成長を促進し、歯並びを整える効果が期待できます。

デメリット

  • 治療期間が長くなる場合がある 歯を抜かない分、歯の移動に時間がかかるため、叢生が強い場合は抜歯矯正に比べて治療期間が長くなる傾向があります。一般的には、非抜歯矯正の治療期間は2年〜4年程度と言われています。
  • 歯を並べるスペースが限られる 歯を抜かないため、歯を並べるスペースが限られます。そのため、重度の叢生や、顎の大きさに比べて歯が大きい場合には、対応できない場合があります。
  • 歯の傾斜や口元の突出が起こる可能性 歯を並べるスペースを確保するために、歯を傾斜させたり、歯列全体を前方へ移動させたりする必要がある場合があります。そのため、治療計画によっては、歯の傾斜や口元の突出が起こる可能性があります。
  • 顎を広げる装置を使用する場合、違和感や痛み 顎を広げる装置を使用する場合は、口の中に装置を装着するため、違和感や痛みを感じることがあります。また、発音しにくくなるなどの影響が出る場合もあります。

どちらの治療法が適しているかは?

抜歯矯正と非抜歯矯正のどちらが適しているかは、患者さんの 歯並び顎の骨格顔貌治療への希望 などを総合的に考慮して決定されます。

  • 非抜歯矯正が適している可能性が高いケース
    • 歯並びの乱れが軽度
    • 顎の成長が期待できる若い方
    • 歯を抜くことへの抵抗感が強い
    • 自然な仕上がりが希望
  • 抜歯矯正が適している可能性が高いケース
    • 歯並びの乱れが重度
    • 顎の大きさに比べて歯が大きい
    • 口元を引っ込めたい
    • 治療期間をできるだけ短くしたい

第3章:非抜歯矯正が適しているのはどんな人?

非抜歯矯正は、歯を抜かずに歯並びを整えることができる魅力的な治療法ですが、すべての人に適しているわけではありません。

患者さん自身の歯並びや顎の状態によっては、非抜歯矯正では十分な効果が得られない場合や、治療期間が長くなってしまう場合、あるいは口元が不自然に前に出てしまうリスクもあります。

この章では、非抜歯矯正が適しているのはどんな人なのか解説していきます。

非抜歯矯正の適応を判断するポイント

非抜歯矯正が適しているかどうかは、主に以下の要素を総合的に判断して決定されます。

  1. 歯並びの乱れ具合
    • 軽度の叢生(歯の重なり具合): 歯と歯が少し重なっている程度であれば、非抜歯矯正で対応できる可能性が高いです。
    • 軽度の空隙歯列(歯と歯の間に隙間がある状態): 歯と歯の間に少し隙間がある程度であれば、非抜歯矯正で歯を移動させて隙間を閉じることができます。
    • 軽度の捻転歯(歯がねじれている状態): 歯が少しねじれている程度であれば、非抜歯矯正で歯の向きを修正することができます。
    • 重度の叢生や空隙歯列、捻転歯: 歯並びの乱れが大きい場合は、歯を並べるスペースを確保するために抜歯が必要となるケースがあります。
  2. 顎の成長
    • 成長期: 顎の成長がまだ見込める若い方(特に成長期)は、顎を広げる装置などを併用することで、非抜歯矯正でも十分なスペースを確保できる可能性があります。
    • 成人: 顎の成長が止まっている成人の方は、顎を広げる効果が期待できないため、歯並びの状態によっては抜歯矯正の方が適している場合があります。
  3. 歯の大きさ
    • 歯が小さい: 歯が小さく、顎に対して歯のサイズが適切であれば、非抜歯矯正でも歯並びを整えやすいです。
    • 歯が大きい: 歯が大きく、顎に対して歯のサイズが大きい場合は、歯を並べるスペースが不足し、非抜歯矯正では対応できない場合があります。
  4. 顔貌
    • 口元が引っ込んでいる: 非抜歯矯正では、歯列を前方へ移動させることで口元を少し出すことができます。そのため、口元が引っ込んでいる方には有効な治療法です。
    • 口元が出ている: もともと口元が出ている方は、非抜歯矯正を行うことでさらに口元が出てしまう可能性があります。
  5. 患者さんの希望
    • 非抜歯矯正を強く希望: 可能な限り非抜歯で治療できるよう、矯正歯科医が様々な方法を検討します。しかし、患者さんの希望を優先するあまり、無理に非抜歯矯正を行うと、治療期間が長引いたり、満足のいく結果が得られない可能性もあります。

非抜歯矯正が適している人の例

  • 軽度の叢生の方
  • 顎の成長が見込める若い方
  • 歯のサイズが小さい方
  • 口元が引っ込んでいる方
  • 歯を抜くことへの抵抗感が強い方
  • 自然な仕上がりが希望の方

第4章:矯正治療を成功させるために 患者さんに知ってほしいこと

矯正治療は、美しい歯並びと健康な咬み合わせを手に入れるための素晴らしい手段です。しかし、治療期間が長く、日常生活で気を付けるべきことも多いため、患者さん自身の協力が不可欠です。

この章では、矯正治療を成功させるために、患者さんに知っておいてほしいことをまとめました。

矯正治療を受ける前に知っておくべきこと

  • 治療期間: 矯正治療は、一般的に1年半~3年程度の期間がかかります。非抜歯矯正の場合はさらに長くなることもあります。治療期間は、歯並びの状態や治療方法、年齢などによって異なります。
  • 費用: 矯正治療の費用は、治療方法や使用する装置、治療期間などによって大きく異なります。健康保険が適用されるケースは限られており、多くの場合は自由診療となります。費用については、事前にしっかりと確認しておきましょう。
  • 痛み: 矯正装置を装着した直後や、ワイヤーを調整した後は、歯が浮いたような感覚や痛みを感じることがあります。これらの痛みは、通常数日で治まりますが、痛みが強い場合は、鎮痛剤を服用したり、矯正歯科医に相談したりしましょう。
  • 食事: 矯正装置を装着している間は、硬いものや粘着性のあるものを避けるなど、食事に制限があります。装置が外れたり、破損したりする可能性があるためです。また、食事後は丁寧に歯磨きをする必要があります。
  • 発音: 矯正装置を装着した直後は、発音しにくくなることがあります。しかし、ほとんどの場合、数日で慣れてきます。

矯正治療中の注意点

  • 装置の破損: 矯正装置は、強い力が加わると破損することがあります。硬いものを噛んだり、装置を無理に外したりしないように注意しましょう。装置が破損した場合は、すぐに矯正歯科医に連絡しましょう。
  • 口腔衛生: 矯正装置を装着している間は、歯磨きがしにくくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。毎食後、丁寧に歯磨きをし、歯間ブラシやデンタルフロスも使用して、口腔内を清潔に保ちましょう。定期的な歯科検診も大切です。
  • 定期的な通院: 矯正治療中は、月に1回程度のペースで矯正歯科医に通院し、装置の調整や歯のチェックを受ける必要があります。定期的な通院を怠ると、治療期間が長引いたり、治療効果が得られない可能性があります。
  • 指示の遵守: 矯正歯科医の指示を守り、治療計画に沿って治療を進めることが重要です。自己判断で装置を調整したり、通院を中断したりすることは避けましょう。

矯正治療後の注意点

  • 後戻り: 矯正治療後、歯は元の位置に戻ろうとする性質があります。これを「後戻り」と言います。後戻りを防ぐためには、保定装置を指示された期間、きちんと装着することが重要です。
  • 定期的な検診: 矯正治療後も、定期的に矯正歯科医や歯科医院を受診し、歯並びや咬み合わせのチェックを受けましょう。

まとめ

今回は、「非抜歯矯正でゴリラ顔になる」という噂の真相について、詳しく解説してきました。

正しく行われた非抜歯矯正でゴリラ顔になる可能性は極めて低いこと、抜歯矯正と非抜歯矯正それぞれのメリット・デメリット、そして非抜歯矯正が適しているのはどんな人なのか、ご理解いただけたでしょうか?

矯正治療は、美しい歯並びと健康な咬み合わせを手に入れるための、人生を変えるような素晴らしい決断です。

しかし、治療期間が長く、費用もかかるため、正しい知識を持って治療に臨むことが大切です。

この記事が、矯正治療を検討している方にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。

最後に、矯正治療を成功させるためのポイントを改めてまとめておきます。

  • 信頼できる歯科医師に相談する。
  • 自分の歯並びや顎の状態、そして治療への希望を伝え、最適な治療法を選択する。
  • 治療期間や費用、リスクなどをしっかりと理解した上で、治療を開始する。
  • 矯正治療中は、医師の指示を守り、積極的に治療に参加する。
  • 治療後も、後戻りを防ぐために、保定装置をきちんと装着し、定期的な検診を受ける。

矯正治療は、患者さんと矯正歯科医が協力して作り上げていくものです。

疑問や不安があれば、遠慮なく医師に相談し、納得のいく治療を受けてください。

そして、自信あふれる笑顔で、新しい人生をスタートさせましょう!

治療のご予約は下記リンクよりいつでもお取り出来ます。キャンセルや2回目以降の治療予約に関しても行えます。

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御茶ノ水つばめ歯科・矯正歯科
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Hasegawa
御茶ノ水つばめ歯科・矯正歯科 院長
御茶ノ水駅と神保町駅の間の場所で歯科医院を経営しています。歯の治療でお困りの方向けに情報を発信しておりますので、参考になれば幸いです。
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