「歯の治療で被せ物をすることになったけど、どんな種類があるんだろう?」
そう思っていませんか?
虫歯治療などで歯を大きく削った場合、歯の強度を保ち、見た目もきれいにするために被せ物をすることがあります。 以前は「銀歯」が一般的でしたが、近年では**「CAD/CAM冠」**という白い被せ物も広く使われるようになりました。
CAD/CAM冠は、コンピュータを使って設計・製造されるため、精密で自然な見た目が特徴です。しかも、保険適用で白い歯を入れられるという大きなメリットがあります。
この記事では、CAD/CAM冠について、銀歯との違いやメリット・デメリットをわかりやすく解説していきます。
「銀歯は知っているけど、CAD/CAM冠は初めて聞いた」という方も、「白い歯に興味があるけど、費用や耐久性が気になる」という方も、ぜひ最後まで読んでみてください。
1. CAD/CAM冠とは?
CAD/CAM冠は、コンピュータ支援設計・製造(CAD/CAM)の技術を用いて作られる歯の被せ物です。従来の銀歯とは異なり、セラミックやハイブリッドレジンといった白い素材で作製されるため、自然な見た目で審美性に優れているのが特徴です。
CAD/CAMとは?
CADはComputer Aided Design(コンピュータ支援設計)、CAMはComputer Aided Manufacturing(コンピュータ支援製造)の略です。CAD/CAMシステムを用いることで、歯科技工士の手作業による製作に比べて、より精密でスピーディーな被せ物の製作が可能になりました。
CAD/CAM冠の製作工程
- 歯型取り: 保険適応の場合は従来通りの粘土のような材料での印象採が必要です。
- コンピュータ上での設計: 石膏模型を読み込み取得した3Dデータをもとに、専用のソフトウェアを使用して被せ物の形を設計します。歯科技工士は、コンピュータ上で被せ物の厚みや形、色などを細かく調整し、患者さんの歯列に最適な被せ物をデザインします。
- ミリングマシンによる削り出し: 設計データがミリングマシンと呼ばれる自動切削機に送られハイブリッドレジンのブロックから被せ物が削り出されます。ミリングマシンはコンピュータ制御されているため、設計データ通りの精密な被せ物が製作できます。
- 仕上げ・調整: 削り出された被せ物は、歯科技工士によってさらに細かく調整され、色付けや研磨などの仕上げが行われます。
2. 銀歯との違い、メリット・デメリット
歯の被せ物を選ぶ際、多くの人が悩むのが「銀歯にするか、白い被せ物にするか」ではないでしょうか?見た目はもちろん、耐久性や費用、治療期間など、考慮すべき点はたくさんあります。
ここでは、銀歯とCAD/CAM冠の違いをより詳細に比較することで、それぞれのメリット・デメリットを深く理解し、自分に合った被せ物選びの参考にしていただければと思います。
1. 素材と見た目
- 銀歯: 主に金銀パラジウム合金などの金属で作られます。そのため、見た目が銀色で目立ちやすく、審美性に劣るという点が最大のデメリットです。
- 金銀パラジウム合金は、金、銀、パラジウムなどを混ぜ合わせた合金で、強度と耐食性に優れています。
- 一部の銀歯には、ニッケルやクロムなどの金属が含まれている場合があり、金属アレルギーを引き起こす可能性があります。
- CAD/CAM冠: ハイブリッドレジンという白い素材で作られます。
- ハイブリッドレジン: セラミックとレジンを混ぜ合わせた素材で、セラミックよりも安価で、レジンよりも耐久性・審美性に優れています。保険適応の場合は規格の決まった材質を使用します。
2. 耐久性
- 銀歯: 金属製のため、非常に高い耐久性を持ちます。長期間の使用に耐え、噛み合わせの強い奥歯にも適しています。
- CAD/CAM冠: 銀歯に比べると衝撃に弱く、欠けたり割れたりする可能性があります。特に、ハイブリッドレジンはセラミックよりも耐久性が劣ります。
3. 金属アレルギー
- 銀歯: 金属アレルギーの原因となるニッケルやクロムなどの金属が含まれている場合があります。金属アレルギーの方は、口腔内に金属を使用することで、口内炎や皮膚炎などのアレルギー症状が出る可能性があります。
- CAD/CAM冠: 金属を使用していないため、金属アレルギーの心配がありません。
4. 歯を削る量
- 銀歯: 被せ物の強度を保つために、ある程度の歯質を削る必要がありますが、CAD/CAM冠に比べると、削る量は少なくて済みます。
- CAD/CAM冠: 被せ物の種類や歯の状態によっては、銀歯よりも多くの歯質を削る必要があります。これは、CAD/CAM冠の素材が銀歯に比べて脆いため、ある程度の厚みを持たせる必要があるためです。
5. その他
- 熱伝導率: 銀歯は熱伝導率が高いため、冷たいものがしみたり、熱いものが伝わりやすかったりします。CAD/CAM冠は熱伝導率が低いため、そのような心配はありません。
- 適合性: CAD/CAM冠はコンピュータ制御で製作されるため、歯との適合性が高く、隙間ができにくいというメリットがあります。銀歯は手作業で製作されるため、CAD/CAM冠に比べると適合性がやや劣り、隙間から虫歯菌が侵入しやすくなる可能性があります。
- 二次カリエス: 銀歯は、歯との適合性がやや劣るため、隙間から虫歯菌が侵入し、二次カリエス(再発性う蝕)のリスクが高くなります。CAD/CAM冠は、歯との適合性が高いため、二次カリエスのリスクを低減できます。
このように、銀歯とCAD/CAM冠はそれぞれにメリット・デメリットがあります。
- 銀歯: 費用を抑えたい方、耐久性を重視する方に向いています。
- CAD/CAM冠: 自然な見た目を求める方、金属アレルギーの方、治療期間を短縮したい方に向いています。
どちらの被せ物が良いかは、患者さんの状況や希望によって異なります。歯科医師とよく相談し、ご自身の状況に合った治療法を選択することが大切です。
4. CAD/CAM冠が向いている人
CAD/CAM冠は、多くのメリットを持つ優れた被せ物ですが、すべての人に最適というわけではありません。ご自身の状況や希望に合致するかどうか、以下のポイントを参考に判断してみましょう。
CAD/CAM冠が向いている人
- 金属アレルギーの人:
- CAD/CAM冠は金属を一切使用しないため、金属アレルギーの方でも安心して使用できます。銀歯を使用した場合に起こる可能性のある、口内炎や皮膚炎などのアレルギー症状を回避できます。
- 自然な見た目を求める人:
- 銀歯と比較すると天然歯に近い色調で、自然な見た目を保つ事ができます。
- 笑った時に自然な白い歯が見えることで、自信を持って笑顔を見せることができるようになります。
- 費用を抑えたい人:
- CAD/CAM冠は、現在は前歯から条件付きで奥歯まで保険適応となりました。そのため、以前よりも安価に白い歯を入れることができるようになりました。
CAD/CAM冠が向いていない可能性があるケース
- 歯ぎしりや食いしばりが強い: 強い力が加わることで、CAD/CAM冠が破損するリスクが高まります。
- 歯周病が進行している: 歯周病によって歯茎が退縮している場合、CAD/CAM冠と歯茎の境目が目立ちやすくなることがあります。
- 噛み合わせが深い: 噛み合わせが深い場合、CAD/CAM冠に過度な負荷がかかり、破損しやすくなることがあります。
上記以外にも、患者さんの口腔内の状態や生活習慣によって、CAD/CAM冠の適応は異なります。最終的には、歯科医師に相談し、ご自身の状況に合った治療法を選択することが大切です。
CAD/CAM冠の保険適応について
CAD/CAM冠は規格がきまっており、それぞれ規格に合わせて適応の部位を選ばなければなりません。
CAD/CAM冠用 材料 | Ⅰ.Ⅱ | Ⅲ | Ⅳ | Ⅴ |
対応する部位 | 小臼歯 | 第一・第二大臼歯 (※条件あり) | 前歯 | すべての大臼歯 |
それぞれの規格で色の具合や強度が異なる為、部位別になっています。
2024年6月の保険改定により、7番の大臼歯部においても一部条件ありで、保険で製作出来るようになりました。
5. まとめ
保険治療の変化や材料の進歩もあり、最近では銀歯に頼らなくても補綴物を保険治療で製作出来るようになりました。
今口の中には何本銀歯があるでしょうか?
銀歯は長い間口の中にあると健康の面でも心配な部分が出てきますので、気にされているようでしたらまずは銀歯の本数を減らしていく。という所から治療を始められてはいかがでしょうか。
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