誰もが経験する可能性のある、あの耐え難い歯の痛み。
ズキズキ、キリキリ、ジンジン…、その痛み方は様々ですが、日常生活を大きく妨げるほどの苦痛を伴うことも少なくありません。
歯の痛みは、虫歯や歯周病といった身近な病気から、意外な原因まで、実に様々な要因で引き起こされます。
この記事では、歯痛を引き起こす可能性のある20の要因、具体的な症状、そして痛みを和らげるための対処法について詳しく解説していきます。
歯の健康を守るための知識を深め、つらい痛みから解放されましょう。
1. 虫歯
- 原因: 歯の表面に付着したプラーク(歯垢)の中の細菌が、糖分を分解して酸を作り、歯のエナメル質を溶かすことで起こります。
- 症状:
- 初期: 冷たいものや甘いものがしみる。
- 中期: 歯に穴が開き、黒ずんだり、茶色く変色する。食べ物が詰まりやすくなる。
- 末期: 激しい痛み、歯の破折、膿が出る。
- 対処法:
- 初期: フッ素塗布、歯磨き指導
- 中期: 虫歯の部分を削り、詰め物をする。
- 末期: 神経の治療(根管治療)が必要になる場合がある。
- 予防: 正しい歯磨き、定期的な歯科検診、フッ素の利用、甘いものの摂取を控える。
2. 歯周病
- 原因: 歯と歯茎の境目にプラーク(歯垢)が溜まり、歯周病菌が繁殖することで歯茎に炎症が起こる。
- 症状: 歯茎の腫れ、出血、歯が浮いた感じがする、口臭、歯茎が下がる、歯がぐらつく、最終的には歯が抜ける。
- 対処法:
- 歯石除去(スケーリング)、歯周ポケットの洗浄(ルートプレーニング)
- 重症の場合: 歯周外科手術、薬物療法
- 予防: 正しい歯磨き、定期的な歯科検診、禁煙
3. 知覚過敏
- 原因: 歯茎が下がる、エナメル質が薄くなる、歯の根が露出するなどして、外部刺激が歯の神経に伝わりやすくなる。
- 症状: 冷たいもの、熱いもの、甘いもの、酸っぱいもの、歯ブラシの毛先などがしみる。
- 対処法:
- 知覚過敏用の歯磨き粉を使用する。
- 歯科医院でのフッ素塗布、レーザー治療。
- 予防: 歯ぎしり、食いしばりをしない、強い力で歯磨きをしない。
4. 歯の破折
- 原因: 硬いものを噛む、歯ぎしり、食いしばり、事故などによる外傷。
- 症状:
- 軽度: 歯にヒビが入る、欠ける。
- 重度: 歯が割れる、折れる。
- 対処法:
- 軽度: 詰め物、被せ物。
- 重度: 抜歯、インプラント、ブリッジ。
- 予防: 硬いものを噛まない、歯ぎしり、食いしばりをしない、マウスピースの着用。
5. 歯髄炎(神経の炎症)
- 原因: 虫歯が進行し、歯の神経(歯髄)に細菌が感染する。
- 症状: 激しい痛み、ズキズキする、温かいものがしみる、歯ぐきが腫れる、膿が出る。
- 対処法: 根管治療(神経を取り除く)
- 予防: 虫歯の早期発見・治療
6. 歯根嚢胞
- 原因: 歯の根の先端に細菌感染が起こり、膿が溜まって袋状になる。
- 症状: 痛み、腫れ、歯茎からの排膿、歯が浮いた感じがする、顎の骨が膨らむ。
- 対処法:
- 根尖切除術(嚢胞を摘出する手術)
- 根管治療
- 予防: 虫歯、歯周病の予防
7. 親知らず
- 原因: 親知らずが斜めや横向きに生える、歯ぐきに埋まっているなど、正常に生えてこないため、周囲の歯や歯茎に悪影響を与える。
- 症状: 歯茎の腫れ、痛み、出血、口臭、顎の痛み、開口障害。
- 対処法: 抜歯
- 予防: 定期的な歯科検診
8. 歯ぎしり・食いしばり
- 原因: ストレス、睡眠障害、噛み合わせの異常、飲酒、喫煙など。
- 症状: 歯の痛み、歯の摩耗、歯の破折、顎の痛み、頭痛、肩こり。
- 対処法:
- マウスピースの着用
- ストレス解消、生活習慣の改善
- 予防: ストレスを溜めない、リラックスできる時間を作る。
9. 顎関節症
- 原因: 顎関節や周囲の筋肉の異常。
- 症状: 口が開けにくい、顎の関節や周囲の痛み、音が鳴る、顎が外れる。
- 対処法:
- 薬物療法、物理療法、マウスピース
- 顎関節の運動療法、生活習慣の改善
- 予防: ストレスを溜めない、姿勢に気を付ける、硬いものを食べ過ぎない。
10. 副鼻腔炎
- 原因: 副鼻腔に細菌やウイルスが感染し、炎症が起こる。
- 症状: 鼻詰まり、鼻水、頭痛、顔面の痛み、上顎の奥歯の痛み。
- 対処法: 薬物療法(抗生物質、消炎剤など)
- 予防: 風邪、インフルエンザの予防、鼻うがい
11. 三叉神経痛
- 原因: 顔の感覚を司る三叉神経が血管などに圧迫されるなどして、異常興奮を起こす。
- 症状: 顔面に電撃のような激しい痛み、歯の痛みと勘違いされることがある。
- 対処法: 薬物療法、神経ブロック
- 予防: 特に予防法はない。
12. 帯状疱疹
- 原因: 水痘・帯状疱疹ウイルスが再活性化し、神経に沿って炎症を起こす。
- 症状: 皮膚に水ぶくれ、痛み、顔面に発症した場合、歯の痛みと似た症状が現れることがある。
- 対処法: 抗ウイルス薬
- 予防: 水痘ワクチン
13. 心筋梗塞
- 原因: 心臓の血管が詰まり、心臓の筋肉に酸素や栄養が届かなくなる。
- 症状: 胸の痛み、呼吸困難、吐き気、冷や汗、まれに歯や顎に痛みを感じる。
- 対処法: 緊急手術(カテーテル治療など)
- 予防: 動脈硬化の予防(生活習慣の改善)
14. 妊娠
- 原因: ホルモンバランスの変化、つわり。
- 症状: 歯茎の腫れ、出血、知覚過敏。
- 対処法:
- 定期的な歯科検診
- つわりがひどい場合は、吐いた後、水で口をゆすぐ。
- 予防: 妊娠前から口腔ケアをしっかり行う。
15. 薬の副作用
- 原因: 一部の薬(抗がん剤、降圧剤など)の副作用。
- 症状: 口の渇き、歯茎の腫れ、歯の痛み。
- 対処法: 医師に相談し、薬を変更する。
- 予防: 薬を服用する際は、副作用について医師や薬剤師に確認する。
16. ストレス
- 原因: ストレスによる歯ぎしり、食いしばり、免疫力低下。
- 症状: 歯の痛み、顎の痛み、歯周病の悪化。
- 対処法:
- ストレス解消
- リラックスできる時間を作る
- 予防: ストレスを溜めない、趣味や運動を楽しむ。
17. 栄養不足
- 原因: カルシウム、ビタミンDなどの不足。
- 症状: 歯や骨が弱くなる、歯の痛み、歯周病のリスク増加。
- 対処法: バランスの取れた食事、サプリメントの摂取。
- 予防: 栄養バランスを考えた食事を心がける。
18. 口腔乾燥
- 原因: 唾液の分泌量減少(加齢、薬の副作用、口呼吸など)。
- 症状: 口の渇き、虫歯、歯周病のリスク増加、歯の痛み。
- 対処法:
- こまめな水分補給
- 人工唾液の使用
- 予防: 口呼吸をしない、保湿剤を使用する。
19. 金属アレルギー
- 原因: 歯科治療に使用されている金属に対するアレルギー反応。
- 症状: 口内炎、歯茎の腫れ、歯の痛み。
- 対処法:
- 原因となる金属を特定し、除去する。
- 金属アレルギーに対応した材料で治療を行う。
- 予防: 金属アレルギーがある場合は、歯科医師に伝える。
20. 腫瘍
- 原因: 歯や顎の骨に腫瘍ができる。
- 症状: 痛み、腫れ、出血、歯のぐらつき、顎の変形。
- 対処法: 手術、放射線治療、化学療法。
- 予防: 定期的な歯科検診
歯の痛みへの対処法
- 市販の鎮痛剤を服用する: アセトアミノフェン、イブプロフェンなど。
- 患部を冷やす: 炎症を抑え、痛みを和らげる。
- うがいをする: ぬるま湯や塩水でうがいをする。
- 刺激物を避ける: 熱いもの、冷たいもの、辛いもの、酸っぱいものを避ける。
- 歯科医院を受診する: 痛みが強い場合や長引く場合は、必ず歯科医院を受診する。
歯が痛い時に行わない方が良いこと
歯が痛いときは、痛みを悪化させたり、治療を遅らせたりする可能性のある行動を避けることが重要です。以下に、歯が痛いときに行わない方が良いことをまとめます。
1. 刺激の強い食べ物や飲み物を避ける
- 熱いものや冷たいもの: 温度変化は歯の神経を刺激し、痛みを増強させる可能性があります。
- 酸っぱいもの: 酸は歯のエナメル質を溶かし、虫歯を悪化させる可能性があります。
- 硬いもの: 硬いものは歯に負担をかけ、破折や欠損のリスクを高めます。
- 甘いもの: 糖分は虫歯菌のエサとなり、虫歯を進行させる可能性があります。
2. 歯を強くこすらない
歯が痛いからといって、強くこすったり、硬い歯ブラシを使用したりするのは避けましょう。歯茎を傷つけたり、歯のエナメル質を削ったりする可能性があります。
3. 自分で治療しようとしない
インターネットの情報などを参考に、自分で治療しようとしないでください。症状を悪化させる可能性があり、適切な治療を受けるのが遅れてしまう可能性があります。
4. 痛みが治まっても放置しない
痛みが一時的に治まっても、根本的な原因が解決していない可能性があります。放置すると症状が悪化し、治療がより困難になる場合があるので、早めに歯科医院を受診しましょう。
5. 痛み止めを過剰に服用しない
市販の痛み止めは、一時的に痛みを抑える効果がありますが、根本的な治療にはなりません。また、過剰に服用すると副作用のリスクもあります。必ず用法・用量を守り、痛みが続く場合は歯科医院を受診しましょう。
6. 喫煙・飲酒を控える
- 喫煙: ニコチンは血管を収縮させ、血行を悪くするため、歯茎の炎症を悪化させる可能性があります。
- 飲酒: アルコールは脱水症状を引き起こし、口内を乾燥させます。口内が乾燥すると、虫歯菌が増殖しやすくなり、虫歯のリスクが高まります。
7. 歯医者での定期検診を怠らない
歯の痛みは、虫歯や歯周病などのサインである場合があります。定期的な検診を受けることで、早期発見・早期治療が可能になります。
その他
- 患部を温めない: 温めると炎症が悪化する可能性があります。冷やす方が効果的です。
- 刺激のある歯磨き粉を使わない: 研磨剤の多い歯磨き粉や、刺激の強い成分を含む歯磨き粉は避けましょう。
- ストレスをためない: ストレスは免疫力を低下させ、歯周病などのリスクを高めます。
まとめ
いかがだったでしょうか。
歯の痛みには複数の原因が考えられます。
しばらく様子を見ても改善がない場合は早めの歯科医院への受診をお勧めします。
治療のご予約は下記リンクよりいつでもお取り出来ます。キャンセルや2回目以降の治療予約に関しても行えます。
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