せっかく時間とお金をかけて歯並びを綺麗にしようとしているのに、矯正中に虫歯になってしまっては大変です。
歯列矯正中は、装置が付いていることで歯磨きがしにくくなり、虫歯のリスクが高まります。 この記事では、矯正中に虫歯になってしまった場合の対処法と、虫歯を予防するための方法を解説し、あなたの大切な歯を守ります。
なぜ矯正中に虫歯になりやすいのか?
「矯正中はなぜ虫歯になりやすいのか?」
口の中に装置を装着することで、虫歯のリスクが高まるという側面も持ち合わせています。
虫歯菌の視点から詳細に解説することで、矯正治療中の虫歯予防に対する意識を高め、より効果的な対策を立てることができるようにしましょう。
1. 矯正装置は、虫歯菌にとって快適な住処
口の中には、常に多くの細菌が存在しており、その中には虫歯の原因となる 虫歯菌(ミュータンス菌など) も含まれています。
これらの細菌は、食べカスに含まれる糖分をエサにして酸を作り出し、歯のエナメル質を溶かしていきます。これが虫歯の始まりです。
矯正装置は、この虫歯菌にとって、まさに 快適な住処 となってしまうのです。
- 複雑な構造が食べカスをキャッチ!
- ブラケット、ワイヤー、バンドなど、矯正装置は複雑な形状をしています。
- この凹凸に食べカスが引っかかりやすく、歯ブラシの毛先が届きにくい 死角 が生まれてしまいます。
- 特に、
- ワイヤーと歯の間: ワイヤーが歯に密着しているため、食べカスが入り込みやすく、除去しにくい場所です。
- ブラケットの周り: ブラケットは歯の表面に接着されていますが、その隙間や周りに食べカスが溜まりやすいです。
- バンドの溝: バンド(奥歯に装着する輪っか状の装置)には溝があり、そこに食べカスが詰まりやすいです。
- マウスピース矯正の場合でも、マウスピースと歯の間に食べカスが入り込むことがあります。
- 歯磨きを妨げるジャマ者!
- 矯正装置があると、歯ブラシがスムーズに動かせず、歯の表面全体を磨くのが難しくなります。
- 特に、
- ブラケット: ブラケットが歯ブラシの毛先をブロックし、歯とブラケットの境目を磨くのが困難になります。
- ワイヤー: ワイヤーが歯ブラシの毛先に引っかかり、歯とワイヤーの間を磨くのが難しくなります。
- 矯正装置があることで、歯ブラシの 正しい当て方 や 動かし方 をマスターする必要があり、慣れるまでは時間がかかります。
- また、歯ブラシの毛先が装置に引っかかってしまい、歯茎を傷つけてしまうリスクもあります。
- 唾液の流れをブロック!
- 唾液には、
- 自浄作用: 口の中を洗い流し、食べカスや細菌を洗い流す
- 緩衝作用: 酸を中和し、歯のエナメル質を溶かすのを防ぐ
- 再石灰化作用: 溶け出したエナメル質を修復する
- 抗菌作用: 細菌の増殖を抑える といった働きがあり、 天然の防御システム として機能しています。
- しかし、矯正装置があると、唾液の流れが妨げられ、これらの作用が十分に発揮されにくくなります。
- 特に、ワイヤー矯正では、装置が歯の表面を覆う範囲が広く、唾液の流れを妨げやすいです。
- 唾液には、
2. 変化する口腔環境にも要注意!
矯正治療中は、口の中の環境が変化し、虫歯リスクが高まる可能性があります。
- 面倒な歯磨きでモチベーションダウン…
- 矯正装置の装着により、歯磨きが面倒になったり、時間がかかったりすることがあります。
- 歯磨きに対するモチベーションが低下すると、歯磨きの回数や質が低下し、虫歯リスクを高めてしまいます。
- 食生活の変化も虫歯リスクに!
- 矯正中は、硬いものや粘着性のあるものが食べにくくなるため、食事の内容が偏ってしまうことがあります。
- 糖分の多いもの(お菓子、ジュースなど)や酸性のもの(柑橘類、炭酸飲料など)を頻繁に摂取すると、虫歯リスクが高まります。
- また、間食の回数が増えると、口の中が酸性状態になる時間が長くなり、虫歯になりやすくなります。
3. 虫歯になりやすさは人それぞれ!
虫歯になりやすさは、個人差があります。
- 唾液の分泌量が少ない人は要注意!
- 唾液の分泌量が少ない人は、もともと虫歯になりやすい傾向があります。
- 矯正中はさらに唾液の流れが妨げられるため、より注意が必要です。
- 唾液の分泌を促すために、こまめな水分補給や、ガムを噛むなどが有効です。
- 歯質が弱い人は要注意!
- 歯質が弱い人は、エナメル質が薄く、酸に溶けやすいため、虫歯になりやすいです。
- 矯正治療によって、歯が一時的に弱くなる場合もあるため、より注意が必要です。
- フッ素配合の歯磨き粉や洗口液を使用することで、歯質を強化することができます。
- 毎日の口腔ケアが重要!
- 普段から歯磨きが不十分な人は、矯正中に虫歯になりやすいです。
- 矯正治療中は、正しい歯磨きの方法を身につけ、毎日丁寧に歯磨きをすることが大切です。
- 歯科医院で定期的なクリーニングを受けることも有効です。
矯正治療中は、これらの要因が複合的に作用することで、虫歯のリスクが高まります。
「矯正装置は、虫歯菌にとって快適な住処となり、口腔環境の変化も虫歯リスクを高める」
ということを理解し、普段以上に口腔ケアに気を配り、虫歯予防を徹底することが大切です。
矯正治療中に虫歯になってしまったら?
矯正治療中に虫歯になってしまったら、 決して放置せず、すぐに歯科医院を受診しましょう。
「矯正装置がついているから…」 「治療が面倒そう…」
などとためらわず、少しでも異変を感じたら、早めに歯科医師に相談することが大切です。
早期発見・早期治療の重要性
虫歯は、初期段階では自覚症状がないことが多く、気づかないうちに進行してしまうことがあります。
矯正治療中は、装置が付いていることで、歯磨きがしにくくなり、虫歯のリスクが高まります。 そのため、定期的な歯科検診に加え、日頃からセルフチェックを行い、虫歯の早期発見に努めましょう。
虫歯のサイン
- 歯に穴が開いている
- 歯が黒ずんでいる
- 歯がしみる
- 歯が痛む
- 歯茎が腫れている
- 口臭がする
これらの症状に気づいたら、すぐに歯科医院を受診してください。
矯正中の虫歯治療
矯正治療中に虫歯が見つかった場合、 虫歯の進行具合 や 矯正治療の段階 によって、治療方法が異なります。
1. 軽度の虫歯
初期の虫歯であれば、矯正治療を中断せずに、虫歯治療を行うことができます。
- フッ素塗布: フッ素を歯に塗布することで、歯質を強化し、再石灰化を促進します。
- 再石灰化療法: 薬剤を塗布することで、初期の虫歯で溶け出したエナメル質を修復します。
2. 中等度の虫歯
虫歯が進行している場合は、矯正装置を一時的に外して、虫歯治療を行う必要があります。
- 詰め物: 虫歯部分を削り取り、レジン(プラスチック)や金属などの詰め物をします。
- インレー: 虫歯部分が大きい場合、型取りをして作成した詰め物を装着します。
3. 重度の虫歯
虫歯が神経まで達している場合は、 根管治療 が必要になります。
- 根管治療: 歯の神経を取り除き、根管を洗浄・消毒して薬剤を詰めます。
- 被せ物: 根管治療後、歯を保護するために、クラウン(被せ物)を装着します。
場合によっては、 抜歯 をしなければならないこともあります。
矯正治療への影響
虫歯の治療によって、矯正治療に影響が出る場合があります。
- 治療期間の延長: 虫歯治療のために、矯正治療を中断する必要がある場合は、治療期間が延びる可能性があります。
- 矯正計画の変更: 虫歯が重度で、抜歯が必要になった場合は、矯正計画を変更する必要がある場合があります。
- 費用増加: 虫歯治療の費用が追加で発生します。
虫歯を予防するために
矯正治療中に虫歯にならないためには、 日々の口腔ケア が重要です。
- 丁寧な歯磨き: 矯正装置が付いているため、歯磨きがしにくくなりますが、丁寧に時間をかけて磨き残しがないようにしましょう。
- 補助的なケア: 歯間ブラシ、デンタルフロス、口腔洗浄器などを活用し、矯正装置の周りや歯間を清潔に保ちましょう。
- 食生活の改善: 糖分の多い食べ物や飲み物は控え、バランスの取れた食生活を心がけましょう。
- 定期的な歯科検診: 歯科医院で定期的にクリーニングや検診を受け、虫歯の早期発見・早期治療に努めましょう。
矯正治療中は、 いつも以上に口腔ケアに気を配り、虫歯予防を徹底することが大切 です。 少しでも気になることがあれば、早めに歯科医師に相談しましょう。
タイプ別の虫歯予防方法
1. ワイヤー矯正
- 歯ブラシ:
- 通常の歯ブラシ: 全体的な汚れを落とします。
- ワンタフトブラシ: ブラケット周りなど、細かい部分の汚れを落とします。
- 歯間ブラシ: 歯と歯の間の汚れを落とします。
- 電動歯ブラシ: 手磨きよりも効率的に歯垢を除去できます。
- 歯磨き粉: フッ素配合の歯磨き粉を使用しましょう。
- うがい: フッ素配合の洗口液を使用するのも効果的です。
- 補助的なケア:
- デンタルフロス: 歯間ブラシが入らない狭い部分の汚れを落とします。
- 矯正用ワックス: 装置が口内を傷つけるのを防ぎます。
- 口腔洗浄器: 水流で食べカスや歯垢を洗い流します。
2. マウスピース矯正
- マウスピース装着時:
- 装着前: 必ず歯磨きをしてから装着しましょう。
- 飲食時: マウスピースを外し、食後は歯磨きをしてから装着しましょう。
- 装着時間: 1日20時間以上の装着を心がけましょう。
- マウスピースのケア:
- 洗浄: 毎日、専用の洗浄剤または歯磨き粉で洗浄しましょう。
- 保管: 使用しない時は、専用のケースに入れて清潔に保管しましょう。
3. 共通の予防策
- 食生活:
- 糖分の多い食べ物や飲み物は控えめにしましょう。
- だ液の分泌を促すため、よく噛んで食べましょう。
- 間食の回数を減らし、だらだら食いを避けましょう。
- カルシウムやビタミンDなど、歯に良い栄養素を摂取しましょう。
- 定期的な歯科検診:
- 3ヶ月に一度は歯科医院でクリーニングや検診を受け、虫歯の早期発見・早期治療に努めましょう。
- 歯科衛生士による専門的なクリーニングで、歯垢や歯石を徹底的に除去してもらいましょう。
最後に
歯列矯正中は、いつも以上に口腔ケアに気を配り、虫歯を予防することが大切です。 少しでも気になることがあれば、早めに歯科医師に相談しましょう。
美しい歯並びと健康な歯を手に入れるために、正しい知識と適切なケアを心がけましょう。
治療のご予約は下記リンクよりいつでもお取り出来ます。キャンセルや2回目以降の治療予約に関しても行えます。
—————————————————————
御茶ノ水つばめ歯科・矯正歯科
〒101-0052
東京都千代田区神田小川町3丁目8-10メアリヒト御茶ノ水ビル1階
TEL:03-6281-7737
・JR御茶ノ水駅 お茶の水橋口改札 徒歩5分
・千代田線 新御茶ノ水駅B3b 徒歩5分
・神保町駅(半蔵門線、都営新宿線、都営三田線)A5 徒歩5分
・都営新宿線 小川町駅、丸の内線 淡路町駅B5 徒歩6分
・東西線 竹橋駅 3a 徒歩10分
—————————————————————