3D歯並びデータの患者様との共有を始めました。参考データはこちらをクリックして下さい。ボタン

ドライマウス(口腔乾燥症)の原因とケア方法

ドライマウス(口腔乾燥症)の原因とケア方法

口の中が乾いて、話しづらい、食べにくい…。食事の味がよくわからない…。夜、口の渇きで目が覚める…。

そんなお悩みを抱えていませんか?

もしかしたら、それは「ドライマウス(口腔乾燥症)」かもしれません。ドライマウスは、唾液の分泌が減り、口の中が乾燥する状態です。

単なる「口の渇き」と軽く考えられがちですが、実は虫歯や歯周病、味覚障害など、さまざまなトラブルの原因となります。さらに、食事や会話に支障をきたし、日常生活の質を大きく低下させてしまうことも少なくありません。

この記事では、ドライマウスの原因や症状、そして自分でできるケア方法から医療機関での治療法まで解説していきます。あなたの悩みに寄り添い、潤いのある口内環境を取り戻すためのお手伝いができれば幸いです。

目次

1. ドライマウス(口腔乾燥症)とは?

ドライマウス(口腔乾燥症)とは、唾液の分泌量が減少し、口の中が慢性的に乾燥した状態のことを言います。単なる「喉の渇き」とは異なり、唾液の量が不足することで様々な不快な症状が現れます。「口が渇いてパサパサする」「ネバネバして話しにくい」「食事が飲み込みにくい」といった経験はありませんか?それらはすべて、ドライマウスの典型的な症状です。

主な症状

  • 口の中の乾燥感、ネバネバ感: 常に口の中が乾いていたり、ネバネバしたりして不快感を感じます。ひどくなると、唇や舌がひび割れて痛みを伴うこともあります。
  • 口臭: 唾液には口の中を清潔に保つ働きがあるため、唾液が減少すると細菌が繁殖しやすくなり、口臭の原因となります。「最近、口臭が気になる…」と感じる方は、ドライマウスが原因かもしれません。
  • 味覚障害: 唾液は食べ物の味を感じるためにも重要な役割を果たしています。ドライマウスになると、味を感じにくくなったり、本来の味とは違った味に感じたりすることがあります。「食事が美味しくない」と感じるのは、味覚障害のサインかもしれません。
  • 虫歯や歯周病になりやすい: 唾液には、虫歯や歯周病の原因となる細菌の増殖を抑える働きがあります。そのため、ドライマウスになると、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
  • 舌のひび割れ、痛み: 口の中の乾燥が続くと、舌がひび割れたり、痛みを感じたりすることがあります。
  • 食べ物が飲み込みにくい: 唾液には食べ物を柔らかくし、飲み込みやすくする働きがあります。そのため、ドライマウスになると、食べ物が飲み込みにくくなり、食事が苦痛になることもあります。
  • 話しにくい: 口の中が乾燥していると、舌がうまく動かず、話しにくくなります。特に、長い時間話すと症状がひどくなることがあります。
  • 入れ歯が合わなくなる: 唾液は入れ歯を安定させる役割も果たしています。そのため、ドライマウスになると、入れ歯が合わなくなり、痛みや違和感が生じることがあります。

ドライマウスが及ぼす影響

ドライマウスは、単に口の中が不快なだけでなく、生活の質(QOL)を大きく低下させる可能性があります。

  • 日常生活への支障: 食事や会話が困難になることで、日常生活に支障をきたします。
  • 口内環境の悪化による健康リスク: 虫歯や歯周病、口内炎、感染症などのリスクが高まります。
  • 精神的ストレス: 口の渇きや痛み、話しにくさなどから、精神的なストレスを感じることもあります。

このように、ドライマウスは様々な面であなたの毎日を脅かす可能性があるのです。しかし、適切なケアで症状を和らげ、快適な生活を取り戻すことは十分に可能です。次のセクションでは、ドライマウスを引き起こす原因について、さらに詳しく掘り下げていきましょう。

2. ドライマウス(口腔乾燥症)の主な原因

ドライマウスの原因は一つではなく、様々な要因が複雑に絡み合って起こります。あなたの生活習慣や体質、服用している薬、そして病気などが、唾液の分泌に影響を与えている可能性があります。ここでは、主な原因を5つのカテゴリーに分けて詳しく見ていきましょう。

  • 生活習慣関連
    • 水分摂取不足: 体内の水分が不足すると、唾液の分泌量も減少します。特に、高齢者の方は喉の渇きを感じにくくなるため、意識的に水分を摂取することが大切です。
    • 過度のアルコール摂取、喫煙: アルコールやタバコは、口の中を乾燥させる作用があります。また、喫煙は唾液腺の働きを低下させることも知られています。
    • 口呼吸: 鼻づまりや癖などで口呼吸をしていると、口の中が乾燥しやすくなります。鼻呼吸を意識し、必要に応じて耳鼻科を受診しましょう。
    • ストレス、緊張: ストレスや緊張は、自律神経のバランスを乱し、唾液の分泌を減少させることがあります。リラックスできる時間を作るなど、ストレスを溜めない生活を心がけましょう。
  • 薬の副作用
    • 多くの薬には、副作用として唾液の分泌を抑制する作用があります。特に、抗ヒスタミン薬(花粉症やアレルギーの薬)、抗うつ薬、降圧剤、利尿剤、抗パーキンソン病薬、鎮痛剤などは、ドライマウスを引き起こしやすいことが知られています。「薬を飲み始めてから口が渇くようになった」という場合は、薬の副作用の可能性があります。自己判断で薬を中止せず、必ず医師に相談しましょう。
  • 加齢による影響
    • 年齢を重ねると、唾液腺の機能が低下し、唾液の分泌量が減少します。また、全身の水分量も減少するため、ドライマウスになりやすくなります。
  • 病気によるもの
    • シェーグレン症候群: 涙腺や唾液腺などの外分泌腺が炎症を起こす自己免疫疾患です。ドライマウスは、シェーグレン症候群の代表的な症状の一つです。
    • 糖尿病: 血糖値が高い状態が続くと、唾液の分泌量が減少します。また、糖尿病の合併症である神経障害によって、唾液腺の機能が低下することもあります。
    • 腎臓病: 腎臓の機能が低下すると、体内の水分バランスが崩れ、ドライマウスを引き起こすことがあります。
    • 放射線治療: 頭頸部への放射線治療は、唾液腺にダメージを与え、ドライマウスの原因となります。
  • その他の原因
    • 脱水症状: 下痢や嘔吐、発熱などによって体内の水分が失われると、脱水症状となり、ドライマウスを引き起こすことがあります。
    • 栄養不足: ビタミンAやビタミンB群などの栄養素が不足すると、唾液の分泌量が減少することがあります。
    • 噛む回数の減少: 近年、柔らかい食べ物が増え、噛む回数が減っています。噛む刺激は唾液腺を刺激し、唾液の分泌を促す効果があります。

このように、ドライマウスの原因は多岐にわたります。あなたに当てはまる原因はありましたか?思い当たる原因を特定し、適切に対処することが、ドライマウスの改善への近道です。次のセクションでは、ドライマウスの診断方法について詳しく解説します。

3. ドライマウス(口腔乾燥症)の診断

ドライマウスの診断は、あなたの自覚症状と客観的な検査結果を組み合わせて行われます。「もしかしてドライマウスかも?」と思ったら、まずはセルフチェックを試してみましょう。そして、気になる症状があれば、早めに医療機関を受診し、専門的な検査を受けることをお勧めします。

自己チェックリスト

以下の項目で、当てはまるものがいくつありますか?

  • 口の中が乾く感じが3ヶ月以上続いている
  • 夜間、口の渇きで目が覚める
  • 水をよく飲む方だ
  • 食べ物が飲み込みにくい
  • 話がしにくい
  • 口臭が気になる
  • 虫歯や歯周病になりやすい
  • 口内炎ができやすい
  • 入れ歯が合わない
  • 常に飴やガムを口にしている

当てはまる項目が多いほど、ドライマウスの可能性が高くなります。 3つ以上当てはまる場合は、医療機関の受診を検討しましょう。

医療機関での検査

ドライマウスの診断には、主に以下のような検査が行われます。

  • 問診: あなたの症状や生活習慣、服用している薬、既往歴などについて詳しく聞かれます。正直に、詳しく答えることが重要です。
  • 唾液分泌量検査: 唾液の分泌量を測定する検査です。いくつかの方法があります。
    • 安静時唾液量測定(吐唾法): 10-15分間、何も刺激がない状態で、自然に分泌される唾液を容器に吐き出し、その量を測定します。
    • 刺激時唾液量測定(ガムテスト): 10分間ガムを噛んだ後に分泌された唾液を採取し、ガムを噛む前後の重量を比較し唾液分泌量を測定します。
    • サクソンテスト: 2分間ガーゼを噛み、ガーゼを噛む前後の重量を比較し唾液分泌量を測定します。
  • 血液検査: シェーグレン症候群などの自己免疫疾患や、糖尿病などの病気の有無を調べます。
  • 画像検査: 必要に応じて、唾液腺の状態を詳しく調べるために、超音波検査(エコー)、MRI、CTなどの画像検査が行われることもあります。

早期発見・早期治療の重要性

ドライマウスは、早期に発見し、適切な治療を開始することで、症状の悪化を防ぎ、生活の質を改善することができます。「たかが口の渇き」と軽視せず、気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

4. ドライマウス(口腔乾燥症)のケア方法

ドライマウスのケアは、あなたの症状の程度や原因に合わせて、様々な方法を組み合わせて行うことが大切です。ここでは、自分ですぐに始められるセルフケア、食生活の改善、医療機関での治療について解説していきます。

セルフケア

  • 十分な水分補給: ドライマウスの最も基本的な対策は、こまめに水分を補給することです。1日1.5~2リットルを目安に、水やノンカフェインのお茶などを少しずつ、こまめに飲みましょう。特に、就寝前や起床時の水分補給は効果的です。
  • 唾液腺マッサージ: 唾液腺を優しくマッサージすることで、唾液の分泌を促すことができます。
    • 耳下腺マッサージ: 耳の前、上の奥歯あたりを、指で優しく円を描くようにマッサージします。
    • 顎下腺マッサージ: 顎の骨の内側の柔らかい部分を、親指でゆっくりと押します。
    • 舌下腺マッサージ: 顎の先の内側を、舌で押し上げるようにマッサージします。
  • よく噛んで食べる: 食事はよく噛んで食べましょう。噛むことで唾液腺が刺激され、唾液の分泌が促進されます。一口30回を目安に、ゆっくりと味わって食べましょう。
  • 保湿効果の高い口腔ケア製品の使用: ドライマウス用の洗口液、保湿ジェル、スプレーなどを活用するのも効果的です。アルコールを含まない、低刺激のものを選びましょう。
  • 室内環境の改善: 特に乾燥する季節は、加湿器を使って室内の湿度を適切に保ちましょう。
  • 禁煙、アルコール摂取を控える: 喫煙や過度のアルコール摂取は、口の中を乾燥させる原因となります。できるだけ控えましょう。
  • 口呼吸の改善: 口呼吸は口の中を乾燥させる原因になります。鼻呼吸を意識し、鼻づまりがある場合は耳鼻科を受診しましょう。

食事療法

  • 唾液の分泌を促す食品: 酸味のあるもの(レモン、梅干し、酢の物)、よく噛む必要のあるもの(根菜、海藻、きのこ類)を積極的に摂りましょう。
  • 控えた方が良い食品: 乾燥しやすいもの(パン、クラッカー、クッキー)、香辛料などの刺激物、糖分の多いものは控えめにしましょう。
  • バランスの良い食事: 栄養バランスの取れた食事を心がけ、唾液の分泌に必要なビタミンやミネラルを十分に摂取しましょう。

医療機関での治療

セルフケアで症状が改善しない場合や、症状が重い場合は、医療機関を受診しましょう。

  • 薬物療法: 唾液の分泌を促す薬(内服薬、外用薬)や、人工唾液などが処方されます。
  • 原因となる病気の治療: シェーグレン症候群や糖尿病など、ドライマウスの原因となる病気がある場合は、その病気の治療を並行して行います。

その他の療法

  • 鍼灸治療: 鍼灸でツボを刺激し、唾液の分泌を促す方法もあります。
  • 漢方療法: 漢方薬で体質を改善し、ドライマウスの症状を緩和する方法もあります。

5. ドライマウス(口腔乾燥症)の予防法

ドライマウスは、生活習慣の見直しや、口内環境を整えることで、未然に防ぐことができる可能性があります。ここでは、日常生活で簡単に取り入れられる予防法を解説します。

  • バランスの良い食事を心がける: 栄養バランスの取れた食事は、全身の健康を維持し、ドライマウスの予防にも繋がります。特に、唾液の分泌を促すビタミンAやビタミンC、よく噛む必要のある食物繊維を豊富に含む食品(野菜、果物、海藻類など)を積極的に摂取しましょう。
  • 十分な水分補給を習慣づける: 脱水を防ぎ、唾液の分泌を正常に保つために、こまめな水分補給を心がけましょう。喉が渇く前に水分を摂る「先制飲水」を習慣づけることが大切です。起床時、食事の前後、入浴前後、就寝前など、タイミングを決めて水分を摂るようにしましょう。
  • ストレスを溜めない生活を心がける: ストレスは自律神経のバランスを乱し、唾液の分泌を減少させる原因となります。自分なりのストレス解消法を見つけ、心身ともにリラックスできる時間を持ちましょう。趣味を楽しむ、適度な運動をする、十分な睡眠をとる、なども効果的です。
  • 定期的な歯科検診を受ける: 定期的に歯科検診を受け、虫歯や歯周病の予防・早期発見に努めましょう。口内環境を清潔に保つことは、ドライマウスの予防にも繋がります。また、歯科医師に口腔内の乾燥について相談することで、専門的なアドバイスを受けることができます。
  • 口呼吸の改善: 口呼吸は口の中を乾燥させ、ドライマウスの原因となります。鼻呼吸を意識し、鼻づまりなどの症状がある場合は、耳鼻科を受診して適切な治療を受けましょう。
  • よく噛んで食べる: 咀嚼は唾液腺を刺激し、唾液の分泌を促進します。一口30回を目安に、よく噛んで食べる習慣を身につけましょう。
  • 禁煙する: 喫煙は唾液の分泌量を減らし、口の中を乾燥させます。ドライマウス予防のためにも、禁煙を心がけましょう。

6. まとめ

ここまで、ドライマウスの原因、症状、診断、ケア方法、そして予防法について見てきました。

何よりも大切なのは、一人で悩みを抱え込まないことです。セルフケアで改善が見られない場合や、症状が重い場合は、早めに医療機関を受診し、専門家に相談しましょう。あなたの症状に合わせた治療法やケア方法を一緒に考え、解決へと導いてくれるはずです。

この記事が、あなたのドライマウスの悩み解決への一助となり、健康で快適な生活を取り戻すきっかけとなることを心から願っています。

治療のご予約は下記リンクよりいつでもお取り出来ます。キャンセルや2回目以降の治療予約に関しても行えます。

—————————————————————
御茶ノ水つばめ歯科・矯正歯科
〒101-0052
東京都千代田区神田小川町3丁目8-10メアリヒト御茶ノ水ビル1階
TEL:03-6281-7737
・JR御茶ノ水駅 お茶の水橋口改札 徒歩5分
・千代田線 新御茶ノ水駅B3b 徒歩5分
・神保町駅(半蔵門線、都営新宿線、都営三田線)A5 徒歩5分
・都営新宿線 小川町駅、丸の内線 淡路町駅B5 徒歩6分
・東西線 竹橋駅 3a 徒歩10分
—————————————————————

Hasegawa
御茶ノ水つばめ歯科・矯正歯科 院長
御茶ノ水駅と神保町駅の間の場所で歯科医院を経営しています。歯の治療でお困りの方向けに情報を発信しておりますので、参考になれば幸いです。
ドライマウス(口腔乾燥症)の原因とケア方法

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次