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インプラントに保険が適用しないのはなぜ?保険が使える場合はどのような時?

インプラントに保険が適用しないのはなぜ?保険が使える場合はどのような時?

歯を失ってしまった時、それを補う方法としてインプラント治療を選択肢に入れる方も多いのではないでしょうか?しかし、インプラント治療は高額な費用がかかるイメージがあり、保険適用されるのかどうか気になる方もいらっしゃると思います。

実は、インプラント治療は基本的に保険適用外です。なぜなら、従来の入れ歯やブリッジといった治療法で、日常生活を送るのに十分な機能を回復できると考えられているからです。

しかし、例外的に保険適用となるケースもあります。それは、事故や病気など、やむを得ない事情で顎の骨に大きな損傷を負い、従来の方法では十分な機能回復が難しい場合などです。

そこで今回は、インプラント治療が保険適用外となる理由、そして保険適用となるケースについて詳しく解説していきます。

目次

インプラント治療が保険適用外である理由

インプラント治療は、歯を失った箇所に人工歯根を埋め込み、その上に人工歯を装着する治療法です。 機能性・審美性に優れている一方、保険適用外となるケースが多いのはなぜでしょうか?

その理由は、大きく分けて以下の3点に集約されます。

1. 従来の治療法で十分な機能回復が可能とされている

保険診療では、入れ歯やブリッジといった治療法で、日常生活を送るのに十分な機能を回復できると考えられています。

  • 入れ歯: 取り外し式の装置で、残っている歯や歯茎に固定して使用します。部分入れ歯と総入れ歯があり、比較的安価で製作期間も短いです。
  • ブリッジ: 失った歯の両隣の歯を削り、橋渡しのように人工歯を固定する治療法です。入れ歯よりも安定感があり、違和感も少ないのが特徴です。

これらの治療法は、長年多くの患者に適用されてきた実績があり、安全性も確立されています。そのため、高額なインプラント治療まで保険適用にする必要性がないと判断されているのです。

2. 治療費が高額

インプラント治療は、高度な技術と特別な材料を必要とするため、治療費が高額になります。

  • 高度な技術: 顎の骨に人工歯根を埋め込む外科手術が必要となるため、歯科医師には高い技術と経験が求められます。
  • 特別な材料: 人工歯根や人工歯には、生体親和性の高いチタンやセラミックなどの材料が使用されます。これらの材料は、高価であるだけでなく、精密な加工が必要となるため、費用がかかります。

もし、インプラント治療に保険を適用してしまうと、国の医療費負担が大幅に増加してしまう可能性があります。

3. 審美性向上目的の側面がある

インプラント治療は、機能回復だけでなく、見た目の改善といった審美性向上を目的とする側面もあります。

  • 自然な見た目: インプラントは、天然歯に近い色や形で製作することができるため、周りの歯に自然に馴染みます。
  • 口元の若々しさ: 歯を失うと、顔の筋肉が衰え、口元が老けて見えることがあります。インプラント治療によって歯を補うことで、口元のハリを取り戻し、若々しい印象を与えることができます。

保険診療は、あくまで病気や怪我の治療を目的としているため、審美性を重視した治療は保険適用外となることが多いのです。

これらの理由から、インプラント治療は基本的に保険適用外となっています。しかし、例外的に保険適用となるケースもありますので、後ほど詳しくご説明します。

インプラント治療に保険が適用されるケース

インプラント治療は、高額な費用がかかるイメージから「保険適用外」と思われがちですが、実は特定の条件下では保険適用となるケースがあります。

今回は、インプラント治療が保険適用となるケースについて、さらに詳しく解説していきます。

1. 先天性疾患の場合

生まれつき顎の骨に異常がある場合に、インプラント治療が保険適用となることがあります。

対象となる主な疾患

  • 口蓋裂: 口蓋(口の中の天井部分)が完全に形成されない疾患。
  • 鎖骨頭蓋異形成症: 鎖骨や頭蓋骨の形成不全、歯の形成異常などを伴う遺伝性疾患。
  • 外胚葉異形成症: 歯、毛髪、汗腺などの外胚葉由来の組織に異常をきたす遺伝性疾患。歯の欠損や形成異常が多く見られます。

保険適用となる条件

  • 顎骨の欠損や変形が著しく、入れ歯やブリッジでの治療が困難であると判断される

2. 病気や事故の影響を受けた場合

腫瘍の切除や事故による外傷などにより、顎の骨に大きな損傷を負った場合に、インプラント治療が保険適用となることがあります。

対象となる主な病気・事故

  • 顎骨腫瘍: 顎の骨にできる腫瘍。良性と悪性があり、悪性の場合は手術で腫瘍を切除する必要があります。
  • 顎骨骨髄炎: 顎の骨に細菌感染が起こり、炎症を起こす病気。重症化すると骨が壊死することがあります。
  • 歯周病: 歯周組織(歯茎、歯根膜、歯槽骨など)に炎症が起こる病気。重症化すると歯を支える骨が溶けてしまい、歯が抜け落ちてしまいます。
  • 交通事故や転倒などによる顎骨骨折: 強い衝撃によって顎の骨が折れること。

保険適用となる条件

  • 顎の骨を連続して1/3以上失っている
  • 顎の骨に重度の変形が残っている
  • 上記のような状態であり、入れ歯やブリッジでの治療が困難であると判断される

保険適用を受けるための条件

  • 指定医療機関での治療: 厚生労働大臣が定める指定医療機関で治療を受ける必要があります。
  • 医師の診断: インプラント治療が必要であると医師に診断される必要があります。

費用

保険適用となる場合でも、一部自己負担が発生します。費用の目安としては、3割負担の場合で10万円~20万円程度ですが、使用するインプラントの種類や本数、治療内容によって異なります。

インプラント治療は、高額な費用がかかるイメージがありますが、上記のようなケースに当てはまる場合は、保険適用で治療を受けることができます。 もし、ご自身が保険適用の対象となる可能性があると思われる場合は、一度歯科医師に相談してみることをおすすめします。

インプラント治療を受ける際の注意点

インプラント治療は、失った歯を補うための有効な選択肢の一つですが、外科手術を伴う治療であるため、いくつかの注意点があります。しっかりと理解した上で治療に臨むことが大切です。

治療前の注意点

  • 全身の状態 インプラント治療は外科手術を伴うため、全身の健康状態が良好であることが重要です。
    • 持病: 糖尿病、高血圧、心臓病、骨粗鬆症などの持病がある場合は、事前に医師に相談し、治療が可能かどうか、また特別な配慮が必要かどうかを確認しましょう。
      • 糖尿病: 傷の治りが遅くなる可能性があるため、血糖値のコントロールが重要です。
      • 骨粗鬆症: 骨密度が低い場合、インプラントと骨の結合が弱くなる可能性があります。骨密度を高める薬を服用している場合は、医師に相談が必要です。
    • 服用薬: 服用中の薬がある場合は、必ず医師に伝えましょう。血液をサラサラにする薬などは、出血のリスクを高める可能性があります。
    • 妊娠: 妊娠中は、ホルモンバランスの変化や感染リスクなどを考慮し、インプラント治療は避けた方が良いでしょう。
  • 口腔内の状態 口腔内に炎症がある場合は、インプラント治療前に治療を済ませておく必要があります。
    • 歯周病: 歯周病菌がインプラント周囲炎を引き起こす可能性があるため、事前に治療を行い、口腔内環境を整えておくことが重要です。
    • 虫歯: 虫歯も、感染のリスクを高めるため、治療しておく必要があります。
    • 歯ぎしり: 歯ぎしりの癖がある場合は、インプラントに過度な力がかかり、破損や脱落のリスクが高まります。ナイトガードの着用などを検討しましょう。
    • 口腔衛生: 日頃から丁寧なブラッシングを行い、口腔内を清潔に保つようにしましょう。
  • 顎の骨の状態 インプラントを埋め込むためには、十分な骨の量と質が必要です。
    • 骨量: 骨量が不足している場合は、骨移植などの処置が必要になることがあります。
    • 骨質: 骨質が低い場合は、インプラントが安定しにくいため、骨造成などの処置が必要になることがあります。
    • CT撮影: 正確な骨の状態を把握するために、CT撮影を行うことがあります。
  • 喫煙 喫煙は、インプラントと骨の結合を阻害するだけでなく、インプラント周囲炎のリスクを高めるため、禁煙または減煙が必要です。
  • 費用 インプラント治療は保険適用外となる場合が多く、高額な費用がかかります。治療前に、費用の内訳、支払い方法などをよく確認しておきましょう。
    • 見積もり: 必ず事前に見積もりを取り、内容を確認しましょう。
    • 保証: インプラント本体や治療に関する保証内容を確認しておきましょう。
  • 治療期間 インプラント治療は、手術から人工歯の装着まで、数ヶ月から半年程度の期間がかかります。
    • 治療計画: 治療の流れ、期間、通院回数などを事前に確認しておきましょう。

治療後の注意点

  • 口腔ケア: インプラント周囲炎などの感染症を予防するために、毎日の丁寧なブラッシングと定期的な歯科検診が重要です。
    • ブラッシング: インプラント専用の歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスなどを使い、丁寧に清掃しましょう。
    • 歯科検診: 3ヶ月〜半年に一度は歯科検診を受け、インプラントの状態をチェックしてもらいましょう。
    • 専門的なクリーニング: 歯科医院で、専門的なクリーニングを受けることも有効です。
  • 食事:
    • 手術直後: 硬いものや刺激の強いものは避け、柔らかいものを食べるようにしましょう。
    • その後: 徐々に硬いものを食べられるようになりますが、インプラントに過度な負担をかけないように注意しましょう。
    • 粘着性のある食品: キャラメルなど、粘着性のある食品はインプラントに付着しやすいため、注意が必要です。
  • 生活習慣:
    • 飲酒: 過度な飲酒は、インプラント周囲炎のリスクを高めるため控えましょう。
    • 喫煙: 喫煙は、インプラントの寿命を縮める原因となるため、禁煙することが望ましいです。
    • 歯ぎしり: 歯ぎしりや食いしばりの癖がある場合は、ナイトガードを着用してインプラントを保護しましょう。
  • 定期検診: インプラントの状態を定期的にチェックし、問題があれば早期に治療を受けるようにしましょう。

その他

  • 医師とのコミュニケーション: 治療に関する疑問や不安は、遠慮なく医師に相談しましょう。
  • セカンドオピニオン: 複数の医師から意見を聞くことも大切です。

インプラント治療は、正しく行えば長期にわたって快適な生活を送ることができます。 治療を受ける際は、上記の注意点をよく理解し、医師とよく相談しながら治療を進めていきましょう。

まとめ

今回は、インプラント治療が保険適用外となる理由とその例外、そして治療を受ける際の注意点について詳しく解説しました。

インプラント治療は、高額な費用がかかるイメージがありますが、顎の骨に先天的な疾患がある場合や、病気や事故で顎の骨に大きな損傷を受けた場合など、一定の条件を満たせば保険適用で治療を受けることができます。

しかし、保険適用となるケースは限られています。そのため、ご自身の状況が保険適用の対象となるかどうか、まずは歯科医師に相談することをおすすめします。

インプラント治療は、失った歯を補う有効な治療法ですが、外科手術を伴う治療であるため、リスクや注意点を理解しておくことが大切です。

治療を受ける際は、今回の内容を参考に、医師とよく相談し、ご自身にとって最良の選択をしてください。

治療のご予約は下記リンクよりいつでもお取り出来ます。キャンセルや2回目以降の治療予約に関しても行えます。

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御茶ノ水つばめ歯科・矯正歯科
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Hasegawa
御茶ノ水つばめ歯科・矯正歯科 院長
御茶ノ水駅と神保町駅の間の場所で歯科医院を経営しています。歯の治療でお困りの方向けに情報を発信しておりますので、参考になれば幸いです。
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