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もう遅い?エナメル質が溶けた時の対処法と再生の可能性

もう遅い?エナメル質が溶けた時の対処法と再生の可能性

「あれ?歯がしみる…」「なんだか歯が透き通って見えるような…」。 実はそれ、エナメル質が溶けているサインかもしれません。

エナメル質は、歯の表面を覆う硬い組織で、私たちが食事を楽しむためになくてはならないもの。しかし、酸や摩耗によって、知らないうちに溶けてしまうことがあるのです。

「エナメル質が溶けるってどういうこと?」「もう遅い?再生できるの?」

そんな不安を抱えているあなたへ。この記事では、エナメル質が溶ける原因から対処法、そして再生の可能性まで、詳しく解説していきます。

もう遅い…と諦める前に、まずはエナメル質について一緒に学んでみませんか? あなたの歯の健康を守るための第一歩を、ここから踏み出しましょう。

目次

1. 歯のエナメル質が溶ける原因

歯のエナメル質は、人体で最も硬い組織ですが、酸に弱く、pH5.5以下の酸性環境にさらされると溶け始めます。これを「脱灰」といいます。

エナメル質が溶ける原因となる酸は、大きく分けて以下の3つに分類できます。

1. 飲食物に含まれる酸

  • 酸性飲料: コーラ、オレンジジュース、スポーツドリンク、炭酸水など。特に、pHが低い、糖分が多い、クエン酸を含む飲料は注意が必要です。
  • 柑橘類: レモン、グレープフルーツ、オレンジなど。果物に含まれる酸は、歯のエナメル質を溶かす可能性があります。
  • : 酢の物、ドレッシング、マリネなど。酢は酸性度が高いため、エナメル質を溶かす可能性があります。
  • ワイン: ワインには、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸などの酸が含まれています。特に白ワインは赤ワインよりもpHが低いため、注意が必要です。
  • その他: 梅干し、漬物、ヨーグルトなど、酸味のある食品は、エナメル質を溶かす可能性があります。

2. 胃酸

  • 逆流性食道炎: 胃酸が食道に逆流することで、口の中が酸性になり、エナメル質が溶けることがあります。
  • 摂食障害: 過食症や拒食症に伴う嘔吐により、胃酸が口の中に逆流して、エナメル質が溶けることがあります。
  • アルコール依存症: アルコールの過剰摂取は、胃酸の分泌を促進し、逆流性食道炎のリスクを高めます。

3. 虫歯菌が作り出す酸

  • 虫歯菌: 虫歯菌は、糖分を分解して乳酸などの酸を作り出します。この酸がエナメル質を溶かし、虫歯を引き起こします。

エナメル質が溶けることによる影響

エナメル質が溶けることで、以下のような影響が現れます。

  • 知覚過敏: エナメル質が溶けて象牙質が露出すると、冷たいものや熱いものがしみる知覚過敏が起こります。
  • 歯の変色: エナメル質が薄くなることで、象牙質の色が透けて見え、歯が黄色っぽく変色することがあります。
  • 歯の摩耗: エナメル質が溶けることで、歯がすり減りやすくなり、歯の先端が透けて見えるようになったり、歯が短くなったりすることがあります。
  • 虫歯: エナメル質が溶けることで、虫歯菌が歯の内部に侵入しやすくなり、虫歯のリスクが高まります。
  • 歯の破折: エナメル質が溶けて薄くなると、歯がもろくなり、破折しやすくなります。

エナメル質が溶けるのを防ぐための対策

エナメル質が溶けるのを防ぐためには、以下のような対策が有効です。

  • 酸性飲食物の摂取を控える: 酸性飲料や酸っぱい食べ物を摂取する際は、量や頻度に注意しましょう。
  • 酸性飲食物を摂取した後は、水で口をゆすぐ: 酸性飲食物を摂取した後は、すぐに水で口をゆすぎ、口の中の酸を中和しましょう。
  • ストローを使う: 酸性飲料を飲む際は、ストローを使うことで、歯への接触を減らすことができます。
  • キシリトールガムを噛む: キシリトールには、唾液の分泌を促進し、再石灰化を促す効果があります。
  • フッ素配合の歯磨き粉を使用する: フッ素には、エナメル質を強化し、酸に溶けにくくする効果があります。
  • 定期的に歯科検診を受ける: 歯科医院で定期的な検診を受け、歯の状態をチェックしてもらいましょう。
  • 唾液の分泌を促す: 唾液には、口の中の酸を中和し、再石灰化を促す働きがあります。よく噛んで食事をする、ガムを噛む、水分をこまめに摂取するなどして、唾液の分泌を促しましょう。

その他

  • 就寝中は唾液の分泌量が減るため、寝る前に酸性飲食物を摂取するのは避けましょう。
  • 歯ぎしりや食いしばりは、歯のエナメル質をすり減らす原因となります。マウスピースなどを使用し、歯への負担を軽減しましょう。
  • 胃酸の逆流が気になる場合は、消化器内科を受診しましょう。

もし、エナメル質が溶けていると感じたら、早めに歯科医院を受診し、適切な治療を受けましょう。

2. エナメル質が溶けた時のサイン

エナメル質の溶解は、初期段階では自覚症状が乏しいため、気づきにくいことが多いです。しかし、進行するにつれて様々なサインが現れます。早期発見・早期治療のためにも、以下のサインに注意し、少しでも異変を感じたら歯科医院を受診しましょう。

1. 視覚的なサイン

  • 歯の表面の光沢の変化:
    • 健康なエナメル質は、光を反射してキラキラと輝いて見えます。
    • 溶け始めると、この光沢が失われ、表面が曇ったように見えたり、ツヤがなくなったりします。
    • 特に、前歯の先端や奥歯の咬み合わせ面など、摩擦を受けやすい部分は、光沢の変化に気づきやすいです。
  • 歯の色の変化:
    • エナメル質が薄くなることで、象牙質の色が透けて見え、歯が黄色っぽく変色します。
    • また、エナメル質の表面が粗くなり、着色しやすくなるため、コーヒーや紅茶、タバコのヤニなどで歯が茶色く変色することもあります。
    • 特に、前歯は色の変化が目立ちやすいです。
  • 歯の形状の変化:
    • エナメル質が溶けてすり減ることで、歯の形が変わることがあります。
    • 前歯の先端が丸くなったり、奥歯の咬み合わせ面が平らになったり、歯と歯の間に隙間ができたりすることがあります。
    • また、歯の先端が薄くなり、透けて見えることもあります。
  • 歯の表面の質感の変化:
    • 健康なエナメル質は、わずかにザラザラとした質感がありますが、溶け始めるとツルツルとした感触に変わります。
    • これは、エナメル質の表面が酸によって溶かされ、滑らかになるためです。
    • 歯ブラシを当てた時に、以前よりもツルツルと滑るように感じたら、注意が必要です。
  • クラック(ひび割れ)の発生:
    • エナメル質が薄くなることで、歯の表面に細かいクラック(ひび割れ)が発生することがあります。
    • クラックは、肉眼では見えにくい場合もありますが、歯の表面を舌で触ると、ザラザラとした感触があります。

2. 知覚の変化

  • 知覚過敏:
    • エナメル質が溶けて象牙質が露出すると、外部からの刺激が歯の神経に伝わりやすくなり、知覚過敏が起こります。
    • 冷たいものや熱いもの、甘いもの、酸っぱいもの、歯ブラシの毛先などがしみるようになります。
    • また、冷たい空気を吸い込んだ時や、風にあたった時にも、歯がしみるような感覚があります。
  • 歯の痛み:
    • エナメル質が溶けて虫歯になると、歯が痛むことがあります。
    • 初期段階では、軽い痛みや違和感程度ですが、進行すると、激しい痛みやズキズキとした痛みが続くようになります。

3. その他のサイン

  • 口の中の酸っぱい感じ: 胃酸の逆流などにより、口の中が酸っぱい感じがすることがあります。
  • 口臭: 口の中の酸性度が高くなると、細菌が繁殖しやすくなり、口臭が発生しやすくなります。
  • 唾液の粘度増加: 唾液がネバネバしていると感じることがあります。
  • 金属アレルギー: 金属製の詰め物や被せ物がある場合、エナメル質が溶けることで金属イオンが溶け出し、金属アレルギーを引き起こすことがあります。

これらのサインに気づいたら、早めに歯科医院を受診しましょう。初期段階であれば、フッ素塗布や生活習慣の改善などの処置で進行を抑制できる場合があります。

セルフチェック

以下の項目に当てはまるものが多い場合は、エナメル質が溶けている可能性があります。

  • 酸性飲料をよく飲む(コーラ、オレンジジュース、スポーツドリンクなど)
  • 柑橘類をよく食べる(レモン、グレープフルーツ、オレンジなど)
  • 酢をよく使う(酢の物、ドレッシングなど)
  • ワインをよく飲む
  • 胃酸の逆流がある(逆流性食道炎など)
  • 嘔吐をよくする(摂食障害など)
  • 歯ぎしりや食いしばりがある
  • ストレスが多い
  • 口呼吸が多い
  • ドライマウス
  • 知覚過敏がある
  • 歯が黄色っぽい
  • 歯にツヤがない
  • 歯の形が変わってきた
  • 歯が欠けやすくなった

3. エナメル質は再生する?

エナメル質は、歯の表面を覆っている硬い組織で、人体で最も硬い物質です。しかし、一度損傷すると自然に再生することは難しいのが現状です。

エナメル質が再生しない理由

エナメル質は、エナメル芽細胞と呼ばれる細胞によって作られます。エナメル芽細胞は、歯の発生過程でエナメル質を作り出す役割を担いますが、歯が生え揃うと役割を終えて消失してしまいます。そのため、歯が生えた後は、エナメル質を新たに作り出す細胞が存在しないため、再生することができません。

再石灰化:初期の脱灰に対する修復メカニズム

ただし、ごく初期の段階の脱灰であれば、「再石灰化」というメカニズムによって、ある程度修復が可能です。再石灰化とは、唾液に含まれるカルシウムやリンなどのミネラルが、エナメル質の損傷部分に沈着し、修復する現象です。

再石灰化を促す要素

  • 唾液: 唾液は、口の中を中和し、再石灰化に必要なカルシウムやリンを供給する役割を担っています。
    • 唾液の分泌量が多いほど、再石灰化が促進されます。
    • 唾液の質も重要で、カルシウムやリンなどのミネラルが豊富に含まれていることが大切です。
  • フッ素: フッ素は、エナメル質の結晶構造を強化し、酸に溶けにくくする効果があります。
    • また、再石灰化を促進する効果もあります。
    • フッ素は、歯磨き粉や洗口液、フッ素塗布などによって摂取することができます。
  • キシリトール: キシリトールは、虫歯菌の活動を抑制し、酸の産生を抑える効果があります。
    • また、唾液の分泌を促進する効果もあります。
    • キシリトールは、ガムやタブレットなどによって摂取することができます。
  • 食事: カルシウムやリンなどのミネラルを豊富に含む食品を摂取することで、再石灰化を促進することができます。
    • 乳製品、小魚、海藻、大豆製品などを積極的に摂取しましょう。

再石灰化の限界

再石灰化は、あくまで初期段階の脱灰に対する修復メカニズムであり、深い虫歯や大きな欠損を修復することはできません。また、再石灰化によって修復されたエナメル質は、元のエナメル質よりも弱いため、再度脱灰しやすくなっています。

エナメル質を保護するために

エナメル質は、一度失われると再生が難しいため、日頃からエナメル質を保護することが重要です。

  • 酸性飲食物の摂取を控える: コーラ、オレンジジュース、スポーツドリンクなどの酸性飲料や、柑橘類、酢の物などの酸っぱい食べ物の摂取は控えめにしましょう。
  • 飲食後や間食後は、口をゆすぐ: 飲食後や間食後は、水やお茶で口をゆすぎ、口の中の酸を中和しましょう。
  • キシリトールガムを噛む: キシリトールガムを噛むことで、唾液の分泌を促進し、再石灰化を促しましょう。
  • フッ素配合の歯磨き粉を使用する: フッ素配合の歯磨き粉を使用することで、エナメル質を強化し、酸に溶けにくくしましょう。
  • 歯磨きを丁寧に行う: 歯垢をきちんと落とすことで、虫歯菌の繁殖を抑え、酸の産生を防ぎましょう。
  • 歯科医院で定期的な検診を受ける: 歯科医院で定期的な検診を受け、歯の状態をチェックしてもらいましょう。

エナメル質は、歯の健康を守る上で非常に重要な組織です。日頃からエナメル質を意識したケアを行い、健康な歯を維持しましょう。

4. エナメル質が溶けた時の対処法

エナメル質が溶けた時の対処法は、溶け具合や症状によって異なります。

1. まだ初期段階で、自覚症状がない場合

  • 生活習慣の見直し:
    • 酸性飲食物の摂取を控える
    • 飲食後や間食後は、水やお茶で口をゆすぐ
    • 就寝前の飲食は避ける
    • キシリトールガムを噛む
    • 唾液の分泌を促すために、よく噛んで食事をする
    • ストレスを軽減し、質の高い睡眠をとる
    • 口呼吸を改善する
  • 毎日のホームケア:
    • フッ素配合の歯磨き粉を使用する
    • 歯ブラシを正しく使って、丁寧に歯を磨く
    • デンタルフロスや歯間ブラシを使って、歯間の汚れを落とす
  • 定期的な歯科検診:
    • 歯科医院で定期的な検診を受け、歯の状態をチェックしてもらう
    • フッ素塗布などの予防処置を受ける

2. 知覚過敏などの症状がある場合

  • 歯科医院での治療:
    • 知覚過敏の症状を緩和するための薬剤を塗布する
    • 進行した場合は、詰め物や被せ物をする

3. 虫歯になっている場合

  • 歯科医院での治療:
    • 虫歯の部分を削り、詰め物や被せ物をする
    • 進行した場合は、根管治療を行う

4. 胃酸の逆流が原因の場合

  • 消化器内科を受診:
    • 逆流性食道炎などの治療を受ける

その他

  • 歯ぎしりや食いしばりがある場合:
    • マウスピースを装着して、歯への負担を軽減する
  • 唾液の分泌が少ない場合:
    • 唾液腺マッサージを行う
    • 人工唾液を使用する

エナメル質が溶けるのを放置すると、知覚過敏が悪化したり、虫歯になったりするリスクが高まります。少しでも気になることがあれば、早めに歯科医院を受診し、適切な治療を受けましょう。

ポイント

  • エナメル質は一度溶けると自然に再生することは難しいので、日頃から予防を心がけることが大切です。
  • エナメル質が溶けた時の対処法は、症状や原因によって異なります。
  • 自分で判断せずに、歯科医師に相談することをおすすめします。

6. まとめ

エナメル質は、歯の健康と美しさを保つ上で非常に重要な組織です。一度溶けてしまうと自然に再生することは難しいため、日頃から酸性飲食物の摂取を控えたり、フッ素を有効活用したりするなど、エナメル質を保護するよう心がけましょう。また、定期的な歯科検診で専門家のチェックを受けることも大切です。

もしエナメル質が溶けていると感じたら、症状が軽いうちに歯科医院を受診し、適切な治療とアドバイスを受けることをおすすめします。早期発見・早期治療によって、歯の健康を長く守ることができます。

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Hasegawa
御茶ノ水つばめ歯科・矯正歯科 院長
御茶ノ水駅と神保町駅の間の場所で歯科医院を経営しています。歯の治療でお困りの方向けに情報を発信しておりますので、参考になれば幸いです。
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