「歯を抜くことになった…」
そう思った時、どんな不安が頭をよぎりますか?
食事を楽しめるだろうか? 人前で笑うことができるだろうか? 老けて見えてしまうのではないだろうか?
歯を失うことは、見た目だけでなく、食事や発音、そして心の健康にも大きな影響を与えます。
どのように治療を行えば良いでしょうか。
インプラント、入れ歯、ブリッジ…それぞれの治療法には、メリットとデメリットがあり、あなたにとって最適な治療法はどれでしょうか?
失った歯を補う治療は想像以上に治療が大変になる場合もあります。
先生やご家族と相談出来るような環境にあるでしょうか。
この記事では、それぞれの治療法の特徴をまとめましたので、検討する際に参考にして頂ければと思います。
インプラント治療:メリットとデメリットについて
インプラント治療は、チタン製の人工歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工歯を装着する治療法です。
まるで自分の歯のように噛める、見た目も自然…など、多くのメリットがある一方、外科手術が必要、費用が高い…といったデメリットもあります。
メリット
- 天然歯のような見た目と機能
- 自然な見た目: 条件が整っていれば、自分の歯と見分けがつかないほど自然な見た目で補えることが多いです。セラミック製の人工歯は、天然歯に近い色や形を再現できるため、審美性に優れています。
- 強い力で噛める: 天然歯とほぼ同じ力で噛むことができ、硬いものや繊維質の多いものなど、様々な食品を美味しく楽しめます。食事の制限が少ないので、食生活の質が向上します。
- 発音しやすい: 入れ歯のように発音がしづらくなることがありません。人工歯がしっかりと固定されているため、会話もスムーズに楽しめます。
- 周りの歯への影響が少ない
- 健康な歯を削らない: ブリッジのように、隣の健康な歯を削る必要がありません。
- 独立した構造: 他の歯に負担をかけずに、独立して機能します。そのため、周りの歯の寿命を縮める心配が少なく済みます。
- 顎の骨の吸収を防ぐ
- 骨への刺激: 顎の骨に人工歯根が埋め込まれることで、噛む刺激が骨に伝わり、骨の吸収を防ぎます。
- 顔の輪郭の維持: 顎の骨の吸収による顔のたるみやシワの予防にも効果が期待できます。
- 長持ち
- 高い耐久性: チタン製の人工歯根は、生体親和性が高く、耐久性に優れています。
- 適切なケア: 定期的なメンテナンスを受けることで、さらに長持ちさせやすくなります。
- 快適な食生活
- 食事を楽しむ: 噛む力が回復することで、食事を美味しく楽しめます。硬いものや繊維質の多いものなど、様々な食材を食べることができるように調整をします。
デメリット
- 外科手術が必要
- 手術のリスク: 顎の骨に人工歯根を埋め込む手術が必要です。手術には、痛みや腫れ、出血、感染などのリスクが伴います。
- 術後の不快感: 手術後には、多少の痛みや腫れが生じる可能性があります。痛み止めや抗生物質を処方することで、 不快感を軽減することができます。
- 治療期間が長い
- 骨との結合: 顎の骨と人工歯根が結合するまで、数ヶ月かかる場合があります。
- 仮歯の使用: 治療期間中は、仮歯を使用することがあります。
- 費用が高い
- 保険適用外: インプラント治療は、保険適用外のため、他の治療法に比べて費用が高額となります。
- 費用の内訳: インプラントの種類や本数、医療機関によって費用は異なります。費用の内訳としては、人工歯根、人工歯、手術費用、検査費用、レントゲン費用などが含まれます。
- 全身状態によっては治療を受けられない場合がある
- 治療が難しいケース: 重度の糖尿病や骨粗鬆症、血液凝固障害、免疫不全など、全身状態によっては治療を受けられない場合があります。
- リスクを高める要因: 喫煙や過度の飲酒は、インプラントの失敗リスクを高める可能性があります。
- メンテナンスが必要
- 毎日のケア: インプラントを長持ちさせるためには、毎日の歯磨きと定期的な歯科検診が必要です。
- 専門的なケア: インプラント周囲炎などのトラブルを防ぐために、歯科医院での専門的なケアも重要です。
インプラント治療のリスク
- インプラント周囲炎: インプラント周囲の歯茎に炎症が起こる病気です。歯周病と同様に、歯磨き不足や喫煙などが原因で起こります。
- インプラントの脱落: インプラントが骨と結合せず、脱落してしまうことがあります。骨の量が不足している場合や、喫煙などが原因で起こりやすくなります。
- 神経の損傷: 手術中に、顎の神経を損傷してしまうことがあります。痺れや麻痺が残る可能性があります。
インプラント治療の費用
インプラント治療の費用は、使用するインプラントの種類や本数、医療機関によって大きく異なります。
費用を抑えるためには、複数の医療機関で見積もりを比較したり、医療費控除制度を利用したりすることが有効です。
当院の費用についてはこちらをご確認ください。
インプラント治療後のメンテナンス
インプラントを長持ちさせるためには、毎日の歯磨きと定期的な歯科検診が重要です。
- 毎日の歯磨き: インプラント専用の歯ブラシや歯間ブラシを使用し、丁寧に歯磨きを行いましょう。
- 定期的な検診: 3ヶ月〜6ヶ月に一度は、歯科医院で検診を受け、専門的なクリーニングを受けましょう。
入れ歯治療:メリットとデメリットについて
入れ歯は、失った歯の代わりに、歯ぐきの上に乗せて使う取り外し可能な義歯です。
部分的に歯を失った場合に使う「部分入れ歯」と、すべての歯を失った場合に使う「総入れ歯」があります。
手軽に作製できる、費用が安い…といったメリットがある一方、噛む力が弱い、異物感がある…といったデメリットも存在します。
入れ歯のメリット・デメリットを理解し、自分に合った治療法かどうかを判断しましょう。
メリット
- 外科手術が不要
- 身体への負担が少ない: インプラントのように、顎の骨に人工歯根を埋め込む手術が必要ありません。
- 治療期間が短い: 比較的短期間で治療が完了し、入れ歯を使うことができます。
- 費用が安い
- 保険適用: 多くの場合、保険適用で製作することができます。
- 経済的負担の軽減: インプラントやブリッジに比べて、費用を抑えることができます。
- 適用範囲が広い
- 様々な症例に対応: 顎の骨の状態や残っている歯の本数など、様々な症例に対応することができます。
- インプラントが難しい場合: インプラント治療が難しい場合でも、入れ歯を選択肢として検討することができます。
- 調整や修理がしやすい
- 柔軟な対応: 入れ歯は、調整や修理が比較的容易です。
- 不具合の改善: 噛み合わせの調整や、破損時の修理など、必要に応じて対応することができます。
デメリット
- 異物感がある
- 違和感: 口の中に異物感があり、慣れるまで時間がかかることがあります。
- 発音への影響: 入れ歯がずれたり、発音がしづらいことがあります。
- 噛む力が弱い
- 咀嚼力の低下: 天然歯に比べて噛む力が弱く、硬いものが食べづらいことがあります。
- 食生活への影響: 食材によっては、細かく切る、柔らかく煮るなどの工夫が必要になる場合があります。
- 顎の骨の吸収が進みやすい
- 骨への刺激不足: 顎の骨に十分な刺激が伝わらないため、骨の吸収が進みやすいです。
- 顔の輪郭の変化: 顎の骨の吸収により、顔のたるみやシワが目立つようになることがあります。
- バネをかける歯に負担がかかる
- 部分入れ歯の場合: バネをかける歯に負担がかかり、歯が弱くなることがあります。
- 支えとなる歯の重要性: バネをかける歯の状態によっては、入れ歯の安定性に影響することがあります。
- 毎日のお手入れが必要
- 清潔な状態の維持: 毎日、入れ歯を取り外して清掃する必要があります。
- お手入れの手間: 適切な洗浄剤やブラシを使用し、丁寧に汚れを落とす必要があります。
入れ歯の種類
- 部分入れ歯: 部分的に歯を失った場合に使用する入れ歯です。残っている歯にバネをかけて固定します。
- 金属床義歯: 床の部分が金属でできている入れ歯です。薄くて軽く、強度が高いのが特徴です。
- ノンクラスプデンチャー: バネのない入れ歯です。審美性に優れていますが、費用が高くなります。
- 総入れ歯: すべての歯を失った場合に使用する入れ歯です。歯ぐき全体で支えます。
入れ歯の費用
入れ歯の費用は、種類や材質、医療機関によって異なります。
保険適用の場合、部分入れ歯は数千円、総入れ歯は数千円〜1万円程度が目安となります。
自費診療の場合、厚みや使う材質によって費用が異なる場合が多いです。
入れ歯のメンテナンス
入れ歯を長持ちさせるためには、毎日の清掃と定期的な歯科検診が重要です。
- 毎日の清掃: 入れ歯洗浄剤を使って、丁寧に汚れを落としましょう。
- 定期的な検診: 歯科医院で定期的に検診を受け、入れ歯の状態をチェックしてもらいましょう。
ブリッジ治療:メリットとデメリットについて
ブリッジとは、失った歯の両隣の歯を支えにして、橋渡しのように人工歯を固定する治療法です。
固定式で安定感がある、治療期間が短い…といったメリットがある一方、健康な歯を削る必要がある、費用が高い…といったデメリットも存在します。
ブリッジ治療を検討する際の判断材料としてお読み下さい。
メリット
- 固定式で安定感がある
- しっかりと固定: 人工歯がしっかりと固定されているため、入れ歯のようにずれたり外れたりする心配がありません。
- 安定した噛み心地: 安定した噛み心地で、食事や会話を自然に楽しむことができます。
- 異物感の少なさ: 入れ歯のような異物感や違和感が少なく、快適に過ごせます。
- 治療期間が短い
- 比較的短期間: インプラントに比べて治療期間が短く、数回の通院で治療が完了します。
- 迅速な回復: 手術を必要としないため、身体への負担が少なく、回復も早いです。
- 費用が安い
- 保険適用: 多くの場合、保険適用で製作することができます。ほとんどのケースで銀歯となります。
- 経済的負担の軽減: インプラントに比べて費用を抑えることができます。
- 自然な見た目
- 審美性: 自費診療でセラミックなどの素材を使用することで、天然歯に近い色や形を再現し、自然な見た目を実現できます。
- 噛む力が強い
- 効率的な咀嚼: 天然歯に近い噛む力で、食べ物をしっかりと噛み砕くことができます。
- 食生活の充実: 硬いものや繊維質の多いものなど、様々な食品を楽しむことができます。
デメリット
- 健康な歯を削る必要がある
- 歯へのダメージ: 人工歯を固定するために、両隣の健康な歯を大きく削る必要があります。
- 神経への影響: 歯を削ることで、神経に影響を与え、知覚過敏などを引き起こす可能性があります。
- 削った歯に負担がかかる
- 耐久性の低下: 噛む力が削った歯に集中し、負担がかかるため、歯の寿命が短くなる可能性があります。
- 虫歯や歯周病のリスク: 削った部分が虫歯や歯周病になりやすくなることがあります。
- 顎の骨の吸収が進む
- 刺激の減少: 失った歯の部分の顎の骨に刺激が伝わらなくなるため、骨の吸収が進みやすいです。
- 顔の輪郭への影響: 顎の骨の吸収により、顔のたるみやシワが目立つようになることがあります。
- ブリッジの下が清掃しにくい
- 衛生面: ブリッジの下の部分は、歯ブラシが届きにくく、清掃が難しいです。
- 虫歯や歯周病のリスク: プラークが溜まりやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
- 適合する条件がある
- 支えとなる歯: ブリッジを支える両隣の歯が健康である必要があります。
- 歯の本数: 失った歯の本数が多すぎる場合、ブリッジの適用が難しいことがあります。
ブリッジの種類
- 固定式ブリッジ: 最も一般的なブリッジで、両隣の歯に固定されます。
- 接着性ブリッジ: 両隣の歯の裏側に接着剤で固定するブリッジです。歯を削る量を少なくできます。
ブリッジの費用
ブリッジの費用は、種類や材質、医療機関によって異なります。
保険適用の場合、1箇所あたり1~3万円程度が目安となります。
自費診療の場合、数十万円程度は考えた方が良いでしょう。
ブリッジのメンテナンス
ブリッジを長持ちさせるためには、毎日の歯磨きと定期的な歯科検診が重要です。
- 毎日の歯磨き: ブリッジ専用の歯ブラシやフロスを使用し、丁寧に清掃しましょう。
- 定期的な検診: 歯科医院で定期的に検診を受け、ブリッジの状態をチェックしてもらいましょう。
インプラント、入れ歯、ブリッジの治療法を比較
項目 | インプラント | 入れ歯 | ブリッジ |
---|---|---|---|
構造 | 人工歯根を顎の骨に埋め込み、人工歯を装着 | 歯茎に乗せる、取り外し可能な義歯 | 両隣の歯を削り、人工歯を固定 |
費用 | 高い | 安い | 高め |
治療期間 | 長い | 短い | 短い |
手術 | 必要 | 不要 | 不要 |
噛む力 | 天然歯に近い | 弱い | 天然歯に近い |
見た目 | より自然 | 人工物感がある | 自然 |
隣の歯への影響 | 少ない | バネをかける歯に負担がかかる | 健康な歯を削る必要がある |
顎の骨への影響 | 吸収を防ぐ | 吸収が進みやすい | 吸収が進みやすい |
耐久性 | 高い | 低い | 中程度 |
手入れ | 通常の歯磨き | 取り外して清掃 | 通常の歯磨き + ブリッジ専用の清掃器具 |
適合条件 | 顎の骨の状態が良い | ほとんどの場合に適合 | 両隣の歯が健康 |
まとめ
それぞれの治療法にメリット・デメリットがあるため、どれが良いか一概には言えません。
結局どの治療が良いのか、は人によって異なります。
予算重視の場合は入れ歯が一番安いですが取り外しが必要であったり、見た目が目立ってしまう場合もあります。
見た目や噛み合わせを重視したい場合はインプラントがオススメですが、外科処置が必要ですし、骨の状態が健康である必要があります。また、後々歯の位置が動かせなくなるので矯正治療が適応ではなくなる場合もあります。
バランスを取るとブリッジ治療となりますが、健康な歯を削る必要があり、噛み合わせの状態が安定していないと、被せた両隣の歯の寿命も縮めかねません。
一本の歯を失い、補うというのは一見単純なように見えて考えなくてはならない部分がとても多くなります。
実際に抜歯が必要となってしまった場合は、今後の人生のことも考えてよく悩み、決断をする必要があります。
まずはしっかりと悩みを聞いてくれる先生と相談を行って下さい。
良い治療を受けられるよう、この記事が参考になって入れば幸いです。
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