「矯正治療を始めたいけど、どんなトラブルが起こるのか不安…」
そう思っていませんか?
矯正治療は、美しい歯並びと健康な噛み合わせを手に入れるための素晴らしい方法ですが、治療中にはいくつかのトラブルが起こる可能性があります。
しかし、事前にこれらのトラブルを知っておくことで、不安を軽減し、適切に対処することができます。
このまとめでは、矯正治療中に起こりうるトラブルとその対処法、そして治療をスムーズに進めるためのポイントを詳しく解説していきます。
矯正治療を検討している方、現在治療中の方、ぜひ参考にしてください。
1. 装置による痛みや不快感
1. 矯正装置による痛みや不快感
矯正治療では、歯を理想的な位置へ移動させるために、矯正装置を用いて歯に力を加えます。この過程で、様々な痛みや不快感が生じる可能性があります。
1. 歯の移動に伴う痛み
- メカニズム: 矯正装置によって歯が移動する際、歯根周囲の歯根膜や骨に圧力がかかり、炎症反応が起こります。これが痛みの原因となります。
- 特徴:
- 鈍痛、締め付けられるような感覚、ズキズキする痛みなど、個人差があります。
- 治療開始直後や、ワイヤー調整後など、歯に新たな力が加わった時に強く感じます。
- 通常、数日から1週間程度で軽減していきます。
- 対処法:
- 痛み止め(アセトアミノフェンなど)を服用する。
- 患部を冷やす。
- 刺激の少ない、柔らかい食事を摂る。
2. 装置と口内粘膜の摩擦による痛み
- メカニズム: ブラケット、ワイヤー、ゴムなどの装置が、頬の内側、唇、舌などに接触し、摩擦を起こすことで痛みや不快感が生じます。
- 特徴:
- 装置が当たっている部分が、擦り傷や口内炎になることがあります。
- 発音しづらくなることがあります。
- 対処法:
- 歯科矯正用ワックスを装置に貼って、粘膜との摩擦を軽減する。
- 口内炎用の軟膏やパッチを患部に貼る。
- うがい薬で口内を清潔に保つ。
- 刺激の少ない食事を心がける。
3. 顎関節の痛み
- メカニズム: 矯正治療によって、噛み合わせが変化することで、顎関節に負担がかかり、痛みを生じることがあります。
- 特徴:
- 口を開け閉めする際、顎関節に痛みや違和感、音が鳴るなどの症状が現れます。
- 顎関節症の症状が悪化する可能性があります。
- 対処法:
- 顎に負担をかけないように、硬いものを噛むのを避ける。
- 顎関節症の治療を受けている場合は、歯科医師に相談する。
- マウスピースを装着して、顎関節への負担を軽減する。
その他
- 歯磨き: 装置が付いていると歯磨きがしにくくなるため、歯垢が溜まりやすく、歯肉炎や歯周病のリスクが高まります。歯間ブラシやデンタルフロスなどを活用し、丁寧に歯磨きを行いましょう。
- 食事: 硬いもの、粘着性のあるものなど、装置に負担をかける食べ物は避けましょう。また、装置が外れたり、破損したりする可能性があるため、注意が必要です。
- 生活習慣: 矯正治療中は、口腔内を清潔に保ち、バランスの取れた食事と十分な睡眠を心がけ、ストレスを溜めないようにしましょう。
2. 矯正器具が原因の口内炎
矯正治療中は、装置が口内を刺激することで口内炎ができやすくなるという悩みを持つ方が多くいらっしゃいます。
口内炎は、痛みや食事の際の不快感を伴い、治癒までに時間がかかる場合もあるため、適切な予防と対処が重要です。
1. 口内炎の原因
- 装置による刺激: 矯正装置のブラケットやワイヤーが、頬の内側や唇、舌などに触れて擦り傷を作り、それが口内炎へと発展することが主な原因です。
- 粘膜の乾燥: 口呼吸や、特定の薬の副作用などによって口内が乾燥すると、粘膜が傷つきやすくなり、口内炎ができやすくなります。
- 栄養不足: ビタミンB群や鉄分などの栄養素が不足すると、粘膜の抵抗力が低下し、口内炎ができやすくなります。
- ストレス: ストレスは、免疫力を低下させ、口内炎を含む様々な疾患のリスクを高めます。
- 不適切な口腔ケア: 歯磨きが不十分だと、口内環境が悪化し、口内炎のリスクが高まります。
2. 口内炎の予防
- 装置の調整: 装置が口内に当たって気になる場合は、歯科医院で調整してもらいましょう。
- 歯科矯正用ワックス: 装置の突起部分にワックスを貼ることで、口内との摩擦を軽減し、口内炎を予防することができます。
- 丁寧な歯磨き: 歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスも使用し、装置周辺を丁寧に清掃することで、口内環境を清潔に保ちましょう。
- うがい: 食後や就寝前などにうがい薬を使用することで、口内を殺菌し、口内炎の予防に役立ちます。
- バランスの取れた食事: ビタミンB群、ビタミンC、鉄分などを含む食品を積極的に摂取し、粘膜の健康を維持しましょう。
- 十分な睡眠: 睡眠不足は、免疫力を低下させるため、十分な睡眠を心がけましょう。
- ストレスの解消: 適度な運動やリフレッシュなどを行い、ストレスを解消しましょう。
- 保湿: 口内が乾燥しないよう、こまめな水分補給を心がけましょう。加湿器を使用するのも効果的です。
3. 口内炎の対処法
- 市販薬: 口内炎用の軟膏やパッチ、スプレーなどを患部に使用することで、痛みを和らげ、治癒を促進することができます。
- うがい薬: うがい薬で口内を殺菌し、炎症を抑えましょう。
- 刺激の少ない食事: 辛いものや酸っぱいものなど、口内を刺激する食べ物は避け、柔らかい食事を心がけましょう。
- レーザー治療: 歯科医院でレーザー治療を受けることで、痛みを軽減し、治癒を促進することができます。
口内炎は、多くの人が経験する一般的なトラブルですが、放置すると悪化したり、再発を繰り返したりする可能性があります。
予防対策をしっかり行い、もし口内炎ができてしまったら、早めに適切な対処をするようにしましょう。
3. 矯正治療中の歯磨きのし難さ
矯正治療中は、装置が歯ブラシの動きを阻害するため、歯垢や食べカスが残りやすく、歯磨きが困難になります。 特に、ブラケットやワイヤーの隙間、歯と歯茎の境目は、丁寧に磨く必要があります。
歯磨きが不十分だと、虫歯や歯周病のリスクが高まるため、適切な対策を講じることが重要です。
歯磨きのし難さの原因
- ブラケットやワイヤー: ブラケットやワイヤーが歯の表面に付いているため、歯ブラシが届きにくく、歯垢を落としにくくなります。
- 複雑な形状: 歯並びが複雑な場合、装置の形状も複雑になり、歯ブラシが届きにくい箇所が増えます。
- 歯磨き時間の増加: 装置が付いている分、丁寧に歯磨きをする必要があり、歯磨き時間が増加します。
歯磨きのし難さへの対処法
- 矯正装置専用歯ブラシ: 矯正装置専用の歯ブラシは、ブラケットやワイヤーの下を効果的に磨くことができるように設計されています。
- 歯間ブラシ: ブラケットやワイヤーの隙間を掃除するために、歯間ブラシを使用します。歯間ブラシは、サイズや形状が豊富なので、自分に合ったものを選びましょう。
- デンタルフロス: 歯と歯の間の歯垢を取り除くために、デンタルフロスを使用します。矯正装置専用のフロススレッダーを使用すると、ワイヤーの下を通しやすくなります。
- タフトブラシ: ブラケット周辺や奥歯など、細かい部分の歯垢を落とすのに効果的です。
- 電動歯ブラシ: 電動歯ブラシは、手磨きよりも効率的に歯垢を除去することができます。
- 口腔洗浄器: 水流で歯垢や食べカスを洗い流すことができます。
- フッ素配合歯磨き粉: フッ素は、歯のエナメル質を強化し、虫歯予防に効果的です。
- 食生活の改善: 糖分の多い食べ物や飲み物は、虫歯のリスクを高めるため、控えめにしましょう。
- 定期的な歯科検診: 歯科医院で、歯石除去やクリーニング、歯磨き指導を受けるようにしましょう。
歯磨き方法
- 歯ブラシ: 矯正装置専用の歯ブラシを使用し、ブラケットの上下、ワイヤーの隙間を丁寧に磨きます。
- 歯間ブラシ: ブラケットと歯の間、ワイヤーの下などに歯間ブラシを通し、歯垢を取り除きます。
- デンタルフロス: フロススレッダーを使ってワイヤーの下に通し、歯と歯の間を丁寧に清掃します。
- タフトブラシ: ブラケット周辺や奥歯など、細かい部分を磨きます。
- うがい: 水でしっかりと口をすすぎ、歯磨き粉や食べカスを洗い流します。
- 口腔洗浄器: 必要に応じて、口腔洗浄器を使用し、歯垢や食べカスを洗い流します。
その他
- 歯磨きの際には、鏡を見ながら、磨き残しがないか確認しましょう。
- 歯茎を傷つけないように、優しく丁寧に磨きましょう。
- 矯正治療中は、歯磨きにより時間をかける必要があります。
- 自分に合った歯ブラシや歯磨き粉を選び、正しい歯磨き方法を身につけましょう。
- 定期的に歯科医院を受診し、専門家によるクリーニングや歯磨き指導を受けるようにしましょう。
これらの方法を組み合わせることで、矯正治療中でも効果的に歯を磨くことができます。 焦らず丁寧に歯磨きを行い、口腔内の健康を維持しましょう。
4. 矯正治療中の装置の破損トラブル
矯正装置は、歯を動かすための精密な器具です。
しかし、日常生活の中で予期せぬ衝撃や、硬いものを噛むなどの行為によって、装置の一部が破損してしまうことがあります。
装置の破損は、治療計画の遅延や、口内を傷つける原因にもなるため、適切な対処が必要です。
装置の破損原因
- 硬いものを噛む: 硬い飴や氷、ナッツ類などを噛むと、ブラケットやワイヤーに過度な力が加わり、破損の原因となります。
- 粘着性の高いものを食べる: キャラメルやガムなど、粘着性の高い食べ物は装置に付着しやすく、無理に剥がそうとすると破損することがあります。
- 不適切な扱い: 装置を指で触ったり、無理に動かしたりすると思わぬ破損に繋がる可能性があります。
- スポーツ中の衝撃: コンタクトスポーツなど、口元に衝撃を受ける可能性のあるスポーツをする際は、マウスガードを着用するなどして装置を保護しましょう。
- 歯ぎしり: 就寝中の歯ぎしりは、装置に大きな負担をかけるため、マウスピースの着用が推奨されます。
- 装置の劣化: 長期間使用していると、装置の劣化により破損しやすくなることがあります。
装置破損時の症状
- ブラケットの脱落: 歯の表面に接着されているブラケットが剥がれてしまうことがあります。
- ワイヤーの変形: ワイヤーが曲がったり、折れたりすることがあります。
- ゴムやバンドの破損: ワイヤーをブラケットに固定するためのゴムやバンドが切れたり、外れたりすることがあります。
- 口内炎: 破損した装置が口内を刺激し、口内炎を引き起こすことがあります。
- 痛みや違和感: 破損した装置が歯茎や頬に当たり、痛みや違和感を感じることがあります。
装置破損時の対処法
- 状況確認: どの部分がどのように破損したのかを確認しましょう。
- 歯科医院への連絡: 破損状況を伝え、適切な指示を仰ぎましょう。緊急性によっては、すぐに来院する必要がある場合もあります。
- 応急処置: 口内炎ができている場合は、口内炎用の軟膏などを塗布して保護しましょう。痛みがある場合は、市販の鎮痛剤を服用したり、患部を冷やしたりして対処しましょう。
- 破損した装置の保管: 外れたブラケットなどは、捨てずに保管しておき、歯科医院に持参しましょう。
- 歯科医院での処置: 歯科医院では、破損した装置の修理や交換を行います。
装置破損の予防策
- 硬いもの、粘着性の高いものを避ける: 硬い飴や氷、ナッツ類、キャラメル、ガムなどはなるべく避けましょう。
- 食事の際は注意する: 食事を小さく切って、ゆっくりと噛むようにしましょう。
- 装置を触らない: 装置を指で触ったり、無理に動かしたりするのはやめましょう。
- マウスガードの着用: スポーツをする際は、マウスガードを着用して装置を保護しましょう。
- 歯ぎしり対策: 歯ぎしりをする方は、マウスピースを着用して装置への負担を軽減しましょう。
- 定期的な検診: 定期的に歯科医院を受診し、装置の状態をチェックしてもらいましょう。
装置の破損は、適切な対処と予防策によって防ぐことができます。
日頃から注意を払い、万が一破損した場合は、速やかに歯科医院に連絡しましょう。
5. 虫歯や歯周病
- 詳細:
- 歯磨きが不十分だと、歯垢が溜まりやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
- 矯正装置は、歯垢の温床になりやすいため、丁寧な歯磨きが重要です。
- 対処法:
- 矯正装置専用の歯磨きグッズを使用し、丁寧に歯を磨く。
- フッ素配合の歯磨き粉を使用する。
- 定期的な歯科検診を受け、歯石除去やクリーニングを受ける。
- 食生活に気を配り、甘いものや間食を控える。
6. 矯正治療中の歯の移動が遅い
矯正治療は、歯に力を加えて理想的な位置へ動かす治療法ですが、その移動速度は人それぞれ、歯それぞれで異なります。
治療開始当初は比較的スムーズに歯が動いても、途中から動きが鈍化してしまうケースも少なくありません。
歯の移動が遅いと、治療期間が延びてしまうだけでなく、計画通りに歯が動かず、治療目標の達成が難しくなる可能性もあります。
なぜ歯は動くの?メカニズムをおさらい
矯正装置によって歯に力が加わると、歯根膜と呼ばれる歯と歯槽骨の間にある組織が圧迫されたり、引っ張られたりします。
すると、圧迫された側の骨は吸収され、引っ張られた側の骨は新たに作られることで、歯が少しずつ移動していくのです。
この骨の代謝活動は、様々な要因に影響を受け、歯の移動速度に個人差が生じます。
歯の移動を遅くする要因
歯の移動速度に影響を与える要因は多岐に渡り、大きく分けて患者さん側の要因と治療側の要因、そしてその他の要因が考えられます。
1. 患者さん側の要因
- 年齢: 年齢を重ねるごとに、骨の代謝活動が低下し、歯の移動速度も遅くなる傾向があります。特に成長期を過ぎた成人では、歯の移動に時間がかかることが多いです。
- 骨の状態:
- 骨粗鬆症など、骨密度が低い方は歯の移動が遅くなる可能性があります。
- 歯周病があると、歯を支える骨が破壊され、歯が動きにくくなることがあります。
- また、過去の怪我や炎症などで歯槽骨が硬くなっている場合も、歯の移動が阻害されることがあります。
- 歯根の状態:
- 歯根が短い、曲がっている、太いなどの場合は、歯を動かすための支点が不安定になり、移動が遅くなることがあります。
- また、歯根吸収が起こっている場合は、歯の移動が困難になることがあります。
- 歯の周りの組織: 歯根膜の厚さや線維の密度、歯槽骨の硬さなど、歯周組織の状態も歯の移動速度に影響を与えます。
- 全身疾患: 糖尿病などの代謝性疾患や、甲状腺疾患などは、骨代謝に影響を与え、歯の移動を遅らせる可能性があります。
- 薬の服用: ビスフォスフォネート製剤(骨粗鬆症治療薬)やステロイド剤など、特定の薬の服用は、骨代謝を抑制し、歯の移動を遅らせることがあります。
- 生活習慣:
- 喫煙は、歯周組織への血流を阻害し、歯の移動を遅らせるだけでなく、歯周病のリスクを高めます。
- 栄養不足、特にカルシウムやビタミンDの不足は、骨の形成を阻害し、歯の移動を遅くする可能性があります。
- 睡眠不足は、成長ホルモンの分泌を抑制し、骨の代謝を低下させるため、歯の移動にも悪影響を及ぼす可能性があります。
- 遺伝的要因: 歯の移動速度には、遺伝的な要因も関与していると考えられています。
- 悪習癖: 舌で歯を押す、指しゃぶりをするなどの癖は、歯の移動を妨げ、治療期間を長引かせる可能性があります。
2. 治療側の要因
- 治療方法:
- 使用する矯正装置の種類(ワイヤー矯正、マウスピース矯正など)や、治療計画(抜歯の有無、歯の移動量など)によって、歯の移動速度は異なります。
- 例えば、マウスピース型装置は、ワイヤー矯正に比べて歯の移動力が弱いため、治療期間が長くなる傾向があります。
- 装置の不適合:
- 装置が適切に装着されていない場合、歯に適切な力が加わらず、移動が遅くなることがあります。
- また、装置が破損している場合も、同様の問題が起こります。
- 治療計画:
- 治療計画が適切でない場合、例えば、歯を動かす方向や力が不適切な場合、歯の移動が遅くなることがあります。
- また、治療目標が高すぎる場合も、治療期間が長引く可能性があります。
3. その他の要因
- 口腔内の衛生状態: 口腔内が不衛生な状態だと、歯周病のリスクが高まり、歯周組織が破壊されることで、歯の移動が阻害されることがあります。
- 歯ぎしり: 歯ぎしりは、歯や顎に過度な負担をかけ、歯の移動を妨げることがあります。
- ストレス: ストレスは、自律神経のバランスを崩し、免疫力を低下させることで、歯周病のリスクを高めたり、骨代謝を阻害したりする可能性があります。
歯の移動が遅い時の対処法
歯の移動が遅い場合は、まず歯科医師に相談し、原因を特定することが重要です。
原因に応じて、以下のような対処法が考えられます。
- 治療計画の見直し: 治療計画を見直し、装置の調整や治療方法の変更を行う場合があります。
- 補助的な装置の使用: 歯の移動を促進するための補助的な装置(顎間ゴム、ミニスクリューなど)を使用する場合があります。
- 生活習慣の改善: 禁煙、バランスの取れた食事、十分な睡眠など、健康的な生活習慣を心がけることで、骨代謝を促進し、歯の移動を促すことができます。
- 口腔ケアの徹底: 歯磨き、歯間ブラシ、デンタルフロスなどを使い、口腔内を清潔に保つことで、歯周病を予防し、歯の移動をスムーズにすることができます。
- 歯ぎしり対策: 歯ぎしりをする方は、マウスピースを着用して歯や顎への負担を軽減することで、歯の移動を妨げないようにします。
- 悪習癖の改善: 舌で歯を押す癖など、悪習癖がある場合は、意識的に改善することで、歯の移動をスムーズにすることができます。
- 薬の変更: 薬の服用が原因で歯の移動が遅くなっている場合は、歯科医師と主治医が連携し、薬の種類や服用量を調整する可能性があります。
- 全身疾患の治療: 全身疾患が原因で歯の移動が遅くなっている場合は、その疾患の治療を優先することが重要です。
歯の移動をスムーズにするために
- 歯科医師の指示を守る: 装置の装着時間、食事の注意点、口腔ケアの方法など、歯科医師の指示をきちんと守りましょう。
- 定期的な検診: 定期的に歯科医院を受診し、装置の調整や口腔内のチェックを受けることで、問題を早期に発見し、適切な対処をすることができます。
- 疑問や不安を解消する: 歯の移動や治療に関する疑問や不安があれば、遠慮なく歯科医師に相談しましょう。
矯正治療は、美しい歯並びと健康な噛み合わせを手に入れるためのものです。
歯の移動が遅い場合でも、焦らず、歯科医師と協力しながら治療を進めていきましょう。
7. 矯正治療の後戻りトラブル
矯正治療によって手に入れた美しい歯並び、せっかくなら一生キープしたいですよね?
しかし、矯正治療後、後戻りという厄介なトラブルが起こる可能性があることをご存知でしょうか?
後戻りとは、矯正装置を外した後、歯が元の位置に戻ってしまう現象のこと。
せっかく時間とお金をかけて治療したのに、後戻りしてしまっては元も子もありません。
後戻りが起こる原因
後戻りは、なぜ起こるのでしょうか?主な原因は以下の点が挙げられます。
- 歯の周りの組織の記憶
- 歯は、歯根膜と呼ばれる繊維組織で支えられており、歯槽骨と呼ばれる骨の中に埋まっています。
- 長年かけて歪んだ歯並びになっていた場合、歯根膜や歯槽骨は元の位置を「記憶」しているため、矯正治療後もその位置に戻ろうとする力が働きます。
- リテーナーの装着不足
- 矯正治療後、歯は新しい位置で安定するまで時間が必要です。
- その期間にリテーナー(保定装置)を正しく装着しないと、歯が元の位置に戻ってしまうことがあります。
- 特に、治療直後は後戻りが起こりやすいため、リテーナーの装着時間を守ることが非常に重要です。
- 歯並びを悪くする癖
- 舌で歯を押す、指しゃぶりをする、頬杖をつく、唇を噛むなどの癖は、歯並びに悪影響を与え、後戻りの原因となることがあります。
- これらの癖は、無意識に行っている場合が多いため、注意が必要です。
- 加齢による変化
- 加齢とともに、歯茎が退縮したり、歯を支える骨が弱くなったりすることで、歯並びが変化しやすくなります。
- また、顔の骨格も変化していくため、それに伴って歯並びも影響を受けることがあります。
- 親知らずの影響
- 親知らずが生えてくることで、周りの歯を圧迫し、歯並びがずれることがあります。
- 特に、矯正治療後に親知らずが生えてきた場合は、後戻りのリスクが高まります。
- 歯周病
- 歯周病は、歯を支える骨を破壊するため、歯がぐらつき、歯並びがずれる原因となります。
- 矯正治療後も、歯周病予防を怠ると、後戻りが起こりやすくなります。
後戻りを防ぐための対策
後戻りを防ぐためには、以下の対策を心がけましょう。
- リテーナーを指示通りに装着する
- リテーナーは、矯正治療後、歯を新しい位置に固定するための重要な装置です。
- 歯科医師の指示に従い、決められた期間、決められた時間、必ず装着しましょう。
- 装着時間を守らないと、後戻りのリスクが高まります。
- 歯並びを悪くする癖を改善する
- 舌で歯を押す、指しゃぶりをするなどの癖がある場合は、意識的に改善しましょう。
- 必要に応じて、歯科医師に相談し、適切なアドバイスを受けるのも良いでしょう。
- 定期的な検診を受ける
- 定期的に歯科医院を受診し、歯並びの状態をチェックしてもらいましょう。
- 後戻りの兆候があれば、早期に対応することで、大きな問題になるのを防ぐことができます。
- 口腔ケアを徹底する
- 歯磨き、歯間ブラシ、デンタルフロスなどを使い、口腔内を清潔に保ちましょう。
- 歯周病予防は、後戻り予防にも繋がります。
- 親知らずのチェック
- 親知らずが生えてくる可能性がある場合は、定期的に歯科医院でチェックしてもらい、必要があれば抜歯を検討しましょう。
- 健康的な生活習慣を維持する
- バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動など、健康的な生活習慣を維持することで、歯周組織の健康を保ち、後戻りを予防することができます。
後戻りしてしまった場合は?
万が一、後戻りしてしまった場合は、早めに歯科医院に相談しましょう。
軽度の後戻りであれば、リテーナーを再度装着することで改善できる場合があります。
しかし、重度の後戻りの場合は、再治療が必要になることもあります。
まとめ
矯正治療は、美しい歯並びと健康な噛み合わせを手に入れるための素晴らしい手段です。
しかし、治療中には様々なトラブルが起こる可能性があることも事実です。
このまとめでご紹介したように、事前にトラブルの原因や対処法を知っておくことで、不安を軽減し、よりスムーズに治療を進めることができます。
矯正治療は、歯科医師との協力が不可欠です。
疑問や不安なことがあれば、遠慮なく相談し、積極的に治療に取り組みましょう。
美しい歯並びと健康な口元を手に入れ、自信に満ちた笑顔で毎日を過ごせるようにこちらも誠心誠意対応いたします。
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